川崎の女児連れ去り教諭、5年前にも問題行動

川崎の女児連れ去り教諭、5年前にも問題行動
カナロコ 2011年8月6日(土)6時30分配信

 小学6年生の女児にナイフを突きつけ、車に乗せて連れ去ったとして、川崎市立小学校教諭の男がわいせつ目的略取容疑で警視庁に逮捕された事件で、男は麻生区内の小学校の放課後活動拠点で臨時職員として勤務していた5年前に、女児との接し方などに問題があったとして解雇されていたことが5日、分かった。

 男は市立下布田小学校教諭の富山浩平容疑者(33)=同市麻生区上麻生=で、2009年に採用され、現在は2年生の学級担任をしている。

 市などによると、富山容疑者は06年春ごろ、勤務先の放課後活動拠点で過度なスキンシップをとったり、施設外で当時小学6年生の女児と交換日記を交わすなどしていたため、同年5月に解雇された。

 同市教育委員会は5年前の事実について「まったく把握していなかった」としている。ただ、同拠点の関係者は「当時、解雇の件は学校側にも報告されている。個人情報保護の制限はあろうが、市教委は経歴などについて十分把握するべきではないか」と話している。

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 川崎市教育委員会は5日、今回の事件を受けて、6日に同校で全校児童の保護者を対象にした臨時保護者会を開き、事件や今後の対応について説明すると発表した。児童の心のケアのため、児童や保護者の要請に応じて、教職員が相談に乗り、スクールカウンセラーを派遣する。

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川崎の女児連れ去り教諭、申告は本人任せで市教委「採用前に把握困難」
カナロコ 2011年8月6日(土)6時45分配信

 教諭採用前の富山浩平容疑者の不適切な行為について、「知らなかった」と市教委。小学校だけで毎年200人前後の採用があるため個別調査が困難な上、個人情報保護が大きな壁になるという。申告は本人任せにならざるを得ず、市教委は「過去に問題があっても、採用前に把握することは難しい」とした。

 市教委教職員課によると、採用試験時に同容疑者が提出した履歴書には、放課後活動拠点での勤務は06年3月までと記載。解雇された06年5月は、勤めていないことになっていた。

 履歴書の職歴欄について、同課は「給与に反映される可能性もあり、記載を求めている」と説明。「面接試験時などに質問することはある」としながらも、それ以上の真偽確認は難しいという。

 さらに、個人情報保護の観点から、今回のように同じ公的な施設在籍時の出来事であっても、「簡単には情報共有できない。伝えた側の立場が難しくなる可能性もある」とする。

 市教委は昨年度の採用試験から、採用者には刑罰の有無を各市区町村に証明してもらい、書面で提出することを義務付けている。地方公務員法上、採用が制限される欠格条項に該当するかを調べるためという。だが、これも刑事罰が科されない過失やトラブルなどを把握することは不可能だ。

 富山容疑者が受験した採用試験の倍率は2・2倍の低率。現在は幾分回復したものの、受験者の確保が課題になっている市教委。「教師としてふさわしい人材をどう集めるのかは、昔からの課題」と頭を悩ませている。

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