聴覚障害生徒に体罰、傷害容疑などで元講師の男逮捕
産経新聞 2011年10月19日(水)20時50分配信
大津市内の市立中学校の特別支援学級(難聴)に通う聴覚障害の姉妹の頭を殴ったり、脚をボールペンでついたりするなどの体罰を繰り返したとして、滋賀県警大津北署は19日、傷害と暴行の疑いで、京都府舞鶴市溝尻の元同校臨時講師、岩佐秀人容疑者(28)を逮捕した。同署によると、容疑を認め「(姉妹が自分の)唇の動きで授業内容を理解できないことを不満に思った」などと供述している。
逮捕容疑は平成21年1月ごろから22年11月ごろまでの間、同中学校の教室で、当時同校に通っていた姉(15)の頭を殴るなどの暴行を数回繰り返したうえ、ボールペンの先端で脚などを突き、4日間のけがを負わせたとしている。また、22年6月ごろから今年5月ごろまでの間、同中学校の教室で妹(14)の頭を殴るなどの暴行を数回繰り返したとしている。
大津市教委によると、岩佐容疑者は20年4月から姉の担任となり、自立支援学習や社会科を担当。昨年秋ごろ、姉妹からの相談を受けた保護者が学校側に抗議し、担任を外れたが、その後も同様の行為を繰り返したため、今年5月中旬、学校側が退職を勧告。6月23日付で依願退職していた。
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難聴姉妹に暴行、卑劣中学講師逮捕
2011.10.20 05:00 サンケイスポーツ
大津市立中学で特別支援学級(難聴)を受け持っていた講師が、生徒の姉妹に体罰を繰り返していたとして、滋賀県警大津北署は19日、傷害と暴行の疑いで、元臨時講師の岩佐秀人容疑者(28)=京都府舞鶴市=を逮捕した。姉妹が唇の動きでは授業を理解できないことにいらだったのが動機とみられており、岩佐容疑者は容疑を認めているという。
生徒のハンディをカバーして授業をするのが「先生」の役割なのに、それをしないでキレて暴行に及ぶとは、何とも身勝手だ。
逮捕容疑は2009年1月から10年11月ごろまでの間、中学校の教室で姉(15)の頭を何度も殴ったり、手の甲をシャープペンシルの先で突くなどし、妹(14)に対しては10年6月から今年5月ごろまで、頭を繰り返し平手でたたくなどした疑い。
同署によると、岩佐容疑者は姉妹を受け持つということで採用され、08年4月から今年6月まで同中学校の臨時講師をしていた。姉妹の意思疎通の手段は手話や筆談だけ、岩佐容疑者も手話ができた。
授業は最初は手話や筆談で行っていたが、「だんだん面倒くさくなったのか、唇の動きで話している内容を理解させようとした。忍者でもあるまいし、それだけで全部理解できるはずない」(捜査幹部)。
授業もなかなか思うように進まず、岩佐容疑者はいらだつようになり、姉妹に向け暴行を加えるようになった。
しかし悪事はなかなか明るみに出ず、最初に発覚したのは昨年6月。姉は暴行のことを親にも訴えず、すねのあざを見つけた母親から問われてもだまっていた。妹が暴行のことを話して、ようやく発覚した。
昨年10月8日には姉がシャープペンシルで太ももを突かれる。「我慢強い子で、母親が気づいたときは、太ももにはまだシャープペンシルの芯が刺さっていた」(同)
それから学校なども交えて話し合い、岩佐容疑者は担任を外され、暴行は二度としないと誓った。ところが暴行は止まず、担任を外されても自分の受け持ち教科の授業中に暴行を続けていた。
さすがに母親らは今年6月に県警に被害届を提出。県教委は6月23日に減給の懲戒処分にし、岩佐容疑者は同日付で依願退職していた。
(紙面から)