小田原市通知表ミス問題:原簿作成時に発生か、第2回調査委で確認不徹底浮き彫り/神奈川

小田原市通知表ミス問題:原簿作成時に発生か、第2回調査委で確認不徹底浮き彫り/神奈川
カナロコ 2011年11月30日(水)6時0分配信

 小田原市立小中学校で通知表の記入ミスが大量に発生した問題で、2回目の「通知表事故調査委員会」が29日開かれた。ミスの主な原因が、担任の手持ち資料から原簿を作成する段階に起きている可能性が高いことが判明した。読み合わせの相手や時間の確保が難しく、ほとんど確認されていない現場の“危うい現状”も浮かび上がった。

 委員長の野中陽一・横浜国大准教授は「再発防止策を検討する場合、実施できるものでなければ意味がない。パソコン入力後、元データと確認する際は、第三者が入ることが基本だ」と指摘した。

 委員会は、市教委事務局が事前に作成したチェックシート案を提示して協議がスタート。

 しかし、小学校の場合、6段階で担任、学年、管理職が確認する詳細な手法に「項目が多すぎて慎重度が低下する」「作業の時間がつくれない」などの懸念が出された。中学校用はさらに、教科や副担任が確認に加わって複雑化、修正を求める意見が相次いだ。

 一方で、ミスが多発する根本的な理由について、ある現職の委員は「パソコン導入が本当に事務作業の効率化につながっているのか学校で聞いたところ、教職員の感想は半々だった」などと報告した。

 各委員から意見が出される中で、通知表の作成初期段階において、担任による手持ち資料とパソコン入力の照合が徹底されていないことが次第に明らかになった。「担任以外が確認できない」という状況を改善することが、再発防止に欠かせないことで一致した。

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