愛荘の中学柔道部員死亡:「家族の思い、反映されず」 元講師ら書類送検で /滋賀
毎日新聞 2012年3月23日(金)15時35分配信
愛荘町立秦荘中学校の柔道部員、村川康嗣(こうじ)君(当時12歳)が死亡した事故で、元講師の男性(29)と校長(58)が書類送検された22日、村川君の母弘美さん(44)は「家族の思いは反映されていない」と複雑な心境を語った。
村川君は09年7月、元講師に乱取り練習中に技を掛けられ翌月死亡した。練習中に水筒の場所と違う方向に給水に向かうなど意識障害の兆候が出ていたといい、弘美さんらは「練習に耐えられなかったのは明らか。乱取りは暴力だった」として元講師を傷害致死容疑で告訴していた。
県警は柔道指導者や医師らの聞き取りから、乱取りが他校に比べ過激とは言えないと判断。傷害致死罪ではなく、「業務上過失致死罪の検討余地がある」との意見を付けた。
村川君の叔父義弘さん(50)は、県警が校長の起訴を求めないとした点も「人が死んでいるのに、管理者が責任を問われないのは理解できない」とし、「熱中症以外に指導者が起訴された例がないのは異常。学校の事故でも刑事責任を問える流れを作りたい」と訴えた。【石川勝義、村山豪】
3月23日朝刊