名古屋市立大論文捏造、「元講師が画像流用」 大分大が認定

名古屋市立大論文捏造、「元講師が画像流用」 大分大が認定
2012年4月20日15時53分 朝日新聞

 名古屋市立大学院医学研究科の教授が論文を捏造(ねつぞう)したとして処分され、その論文の一つに大分大学医学部の元講師が執筆者として関わっていた問題で、大分大は19日、「画像の流用があった」とする調査結果を発表した。元講師は故意ではないと主張しているという。同大は「論文の結論に影響はない」としている。

 大分大の発表によると、問題があったのは2000年6月に発行された米血液学会誌「ブラッド」に掲載された論文。腎臓疾患に効果のある物質に関する内容だったが、化学物質を投与した状態と、投与していない状態の両方に同じ写真を使っていると指摘された。

 名市大の調査依頼を受けて設置された大分大の特別調査委員会が専門家を招いて調べたところ、同一写真だと確認された。元講師は調査に「故意ではなかった」と説明したという。

 元講師は内地留学していた熊本大で実験をした。この論文で医学博士号を得ており、大分大は学位の取り消しも含めて検討する。

 共同著者に名前を連ねていた大分大前医学部長の関与について、大分大は「調査の必要性を検討する」としている。(新宅あゆみ)

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