いのちの日:下関市教委、4月13日を制定 黙とうささげ、いじめ根絶に全力 「二度と起こしてはいけない」と決意 /山口
毎日新聞 2012年8月10日(金)12時11分配信
下関市教育委員会の波佐間清教育長は9日、豊前田町の海峡メッセ下関であった市教育祭(市教委主催)で、毎年4月13日を「下関市いのちの日」とすることを明らかにした。4月13日は、7年前の05(平成17)年、市立川中中学3年だった安部直美さん(当時15歳)がいじめを苦に自殺した日。「いじめ自殺が二度とあってはならない」と反省と願いを込め、いじめの早期発見や防止に努めるという。【平川昌範】
波佐間教育長は集まった市内の教職員ら約1800人を前に、大津市で市立中2年の男子生徒が自殺したことに触れ、「私たちにとってひとごとではない。私たちは安部さんのことを忘れてはならないし、二度とこのような悲しいことを起こしてはいけない。4月13日を命の尊厳を考えるための日としたい」と語りかけた。
今後、4月13日は市内全ての市立幼稚園、小中高校の教職員、児童、生徒で黙とうをささげる。また、市内の小中学校は困っていることを尋ねるアンケートを毎週実施しているが、これを活用し、いじめの根絶に全力を挙げるという。
市教委の取り組みを聞いた直美さんの母としえさん(48)は「事件当時の学校、市教委の対応や第三者委員会の調査方法など、検証はまだ十分でない」とした上で、「その日に何があったかを子供たちにちゃんと説明し、同じことを繰り返さないための教訓にしてほしい」と話した。
〔下関版〕
8月10日朝刊