執行猶予中に小学校担任に 都教委が臨時教員を失職、刑事告訴も
2009年12月11日20時25分配信 産経新聞
執行猶予中の男性が教員免許を取得し、小学校の学級担任になっていたとして、東京都教育委員会は11日、区立小学校の臨時教員の男性(25)を10日付で失職にしたと発表した。教員免許法では執行猶予中に教員免許を取ることができないと定めている。都教委では有印私文書偽造罪などでの告訴を検討している。
都教委などによると、男性は都内の国立大学に在学していた平成19年2月、執行猶予3年の刑が確定していたにもかかわらず、今年3月、教員免許状授与申請書に「欠格事項なし」と署名し不正に教員免許を取得した。今年4月には区立小学校の非常勤講師に採用され、5月からは同校で育児休業した教諭に代わり、低学年生の学級担任を任されていたという。
10月に都が実施した22年度の正教員採用候補者選考に合格したため、都教委で経歴を調べたところ、執行猶予中だったことが発覚した。
都教委は「執行猶予の理由は分からないが悪質だ。刑事告訴を検討する」としている。男性は「教員免許を取れないことは知っていたが、どうしても教員になりたかった。給与は返還する」と話しているという。
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<東京都教委>執行猶予中に免許取得…25歳教諭が失職
2009年12月11日23時8分配信 毎日新聞
東京都教委は11日、刑事事件で有罪判決を受け執行猶予期間中だったことを隠して教員免許を取得し、都内の小学校に約8カ月間勤務したとして、地方公務員法などの規定に基づき男性教諭(25)が失職したと発表した。都教委は「例のない案件」と話している。
都教委の説明では、男性は07年2月に3年の執行猶予付き判決が確定した。教育職員免許法では、禁固刑以上の刑に処された場合は執行猶予期間満了まで免許を取得できないことになっているが、男性は虚偽の宣誓書を書いて免許を取得。地方公務員法の欠格事由にも該当するが、09年4月から小学校の非常勤講師、5月からは担任を持つ臨時的任用教員として勤務していた。
10年度の都教員採用候補者選考に合格したため、所定の手続きに従って本籍地に照会し、今月2日、執行猶予期間中ということが判明した。男性は「要件を欠くことは分かっていたが、どうしても教員になりたかった」と話しているという。【市川明代】