「拉致」記載教科書の使用3年先送り 朝鮮学校側が神奈川県に伝達
産経新聞 2014年2月17日(月)18時32分配信
神奈川県内で朝鮮学校5校を運営する神奈川朝鮮学園(横浜市神奈川区)が、拉致問題の記述を追加して改定する朝鮮学校高級部3年(日本の高校3年に相当)の教科書「現代朝鮮歴史」の使用開始時期について、3年先送りして平成29年度から使用すると県に伝えていたことが17日、分かった。
朝鮮学校の教科書は、北朝鮮本国の検閲の下、全国一律に在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下の教科書編纂(へんさん)委員会が編集。同学園は24年5月、拉致問題の明確な記述を求めた県に対し、「委員会に25年度の改定に向け積極的な要望をしていく」と回答。県はこの回答に基づき、改定教科書の26年度からの使用などを見込み、朝鮮学校5校を含む外国人学校10校への経常費補助(補助金)を廃止する代わりに、新たに生徒への学費補助を行うため、26年度当初予算案に1億7266万円を計上している。
17日の県議会本会議で黒岩祐治知事は「この先も現行の教科書を使うことになったのは大変遺憾。内容の把握に努め、対応を検討したい」と答弁した。県私学振興課によると、14日に同学園から届いた文書には「改定作業は初級部(小学校に相当)から始まる。教員が行うため夏休みなどの長期休業日にしかできず、作業が遅れている」などと記載されていたという。