元教え子の10代少女誘拐 容疑の静岡県職業訓練校職員を逮捕

元教え子の10代少女誘拐 容疑の静岡県職業訓練校職員を逮捕
産経新聞 2016.4.23 08:30

 10代半ばの飲食店店員の少女を誘拐したとして、静岡県警は22日までに、未成年者誘拐の疑いで、県立あしたか職業訓練校技師の吉田成輝(まさあき)容疑者(26)=沼津市大岡=を逮捕した。吉田容疑者は平成24年4月に県職員となり、昨年4月から同校コンピュータ科に職業訓練指導員として勤務。同校によると、少女も昨年4月に入校しており、吉田容疑者の教え子だった。

 吉田容疑者の逮捕を受け、県は22日、「逮捕は大変遺憾であり、深くおわびする。全庁を挙げて綱紀粛正に努める中で、このような事態を招いたことを大変深刻に受け止めている」とする伊藤篤志・経営管理部長のコメントを発表。県としての処分についても「捜査の状況を踏まえて厳正に対処する」とした。

 逮捕容疑は昨年8月上旬、県東部で元教え子の少女を未成年者と知りながら誘拐した疑い。吉田容疑者は調べに対し、「間違いありません」と容疑を認めている。

 県警によると、少女が失踪した昨年8月に保護者が行方不明者届を出しており、保護者からの情報で少女の立ち回り先を捜索していたところ、今月21日に沼津市内で少女を発見。少女にけがはなく、「男と一緒に暮らしている」と話したため、少女を保護した上で、勤務先から外出していた吉田容疑者を逮捕した。

 2人は吉田容疑者のマンションで同居していたが、少女は自由に外出できていたとみられ、1カ月ほど前からは飲食店のアルバイトに出ていたという。

 吉田容疑者は勤務先の職業訓練校で身体障害者を対象にパソコンでの文書作成などを教えており、県は「真面目な青年で勤務態度に問題はなかった」としている。

 少女は昨年4月に全寮制の同校に入校し、吉田容疑者から指導を受けていた。しかし、同級生をいじめるなどして同6月に退寮処分となり、自宅から通学を続けた後、8月以降に吉田容疑者のマンションで同居を始めたとみられている。同校に対しては母親が「家に帰っておらず、本人と連絡が取れない」として少女の自主退校を申し出ていた。

 吉田容疑者の逮捕を受け、同校の担当者は「全く寝耳に水の事態で戸惑っている。行方を案じていたご家族の方にただただ申し訳ない」と話した。

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