入学辞退者への学費不返還は無効=モード学園が敗訴―名古屋地裁
時事通信 2012年12月21日(金)15時19分配信
入学を辞退した受験者に学費を一切返還しないと定めた契約条項は無効だとして、適格消費者団体「あいち消費者被害防止ネットワーク」(名古屋市)が、医療専門学校「名古屋医専」(同)を運営する学校法人「モード学園」(大阪市)を相手に同条項の使用差し止めなどを求めた訴訟で、名古屋地裁(片田信宏裁判長)は21日、原告側の訴えを認める判決を言い渡した。
原告側によると、学校法人に学納金の不返還条項の使用差し止めを命じた判決は全国初。同種条項を設けている他の専門学校などにも影響が及びそうだ。
片田裁判長は「入学金は特段の事情がない限り、学校側に返還義務はない」とした上で、学費の不返還条項については消費者契約法に基づき、「入学辞退によって学校側に生じる平均的な損害を超える部分は無効となる」と指摘した。
その上で、名古屋医専のケースについて、AO入試をはじめ推薦入試や一般・社会人入試など各種試験があり、2次募集もしていることから「辞退者の代わりの入学者を容易に確保することができる」と指摘。「2次募集の最終試験日までに辞退者が出ても学校側に損害はなく、一律に返還しないとした条項は無効だ」と結論付けた。