精神疾患で休職の教員最多…静岡県教委
読売新聞(ヨミドクター) 2011年8月17日(水)15時42分配信
うつ病などの精神疾患で休職扱いとなる公立の小中高校と特別支援学校の教職員が増加し、深刻な問題となっている。
2010年度は静岡県の教職員約2万3600人のうち、過去最多の208人が休職または休暇を取り、今年度も5月1日現在で、すでに87人が事実上の休職となっている。静岡県教委は職場の人間関係などが原因とみており、健康相談の活用などを呼びかけている。
県教委によると、精神疾患による教職員の休職人数は年々増加しており、04年度には病気休職者の5割を超えた。その後も増加を続け、昨年度は89人が休職したほか、有給で最大180日間休暇を取れる特別休暇の取得者が119人に上った。
症状としては、うつ病や抑うつ状態が多く、全体の半数以上。年代では40歳代が最も多い75人。次いで50歳代の63人。20歳代は26人。30歳代は44人となった。
県教委福利課は「職場内では上司、部下、同僚の人間関係、職場外では夫婦、子ども、介護などの要因で発病している場合が多い」と分析し、「自分の指導方法に自信が持てないなどの傾向もある」としている。また、教職への理想と現実のギャップに挫折し、疾患を抱える若い小中学校の教員も増えているという。
こうした事態に対応するため、県は臨床心理士などによる相談事業の活用などを勧めている。
昨年度は79件の相談が寄せられ、保護者や生徒との問題に関する悩みが31件、職場環境や人間関係に関する悩みが14件。夫婦、子どもの問題も34件あった。同課では「とにかく、困ったことがあればすぐに相談をしてほしい」と呼びかけている。