清水尋也容疑者が大麻逮捕も…主演ドラマ『19番目のカルテ』を救った松本潤“異例の生出演”の意義

俳優の清水尋也容疑者(26)が東京・杉並区の自宅で乾燥大麻を所持していたとして麻薬取締法違反(共同使用)容疑で9月3日に逮捕されて波紋が広がった。同居していた20代女性も同容疑で逮捕された。 家宅捜索で乾燥大麻0.4gを押収され、大麻の吸い殻とみられるもの数十本が発見されたという。 清水容疑者は’12年に13歳で俳優デビュー。’21年にはNHK朝のテレビ小説『おかえりモネ』に出演。また映画『東京リベンジャーズ』シリーズ(’21、’23年)などに出演し個性的な若手俳優として人気になり、数多くの映画やテレビドラマで活躍していただけに突然の大麻逮捕が芸能界に与えた影響は大きかった。 20歳の頃、ロサンゼルスに留学したときにホームパーティーに招待され初めて大麻を吸ったと供述。日本で初めて大麻を使用したのは4~5年前だったという。 何度か吸わない時期があったが稼ぎが増えた24歳ぐらいから大麻を吸う量が多くなったとも供述。一方で 「どこで買ったかは言えません」 と入手先については黙秘しているという。 「アメリカではカリフォルニア州など半数に近い州で嗜好品としての大麻の使用は合法化され、パーティーなどで気軽に使用していたり、映画にも普通に大麻を使用するシーンが出てきたりする。だが、その米国での感覚で日本でも大麻を所持し吸っていたのだとしたら、法と警察を甘く見ていると言われても仕方がない。 日本では大麻は麻薬取締法で禁じられており違法行為。特に芸能人は人気があるほど摘発すればニュースなどメディアで大きく取り上げられ麻薬撲滅のキャンペーンになることもあり、情報が寄せられれば一層、徹底的な捜査の対象となる可能性があるのではないか」(全国紙記者) 清水容疑者が大麻を使用しているのではないかという情報提供があり警視庁が捜査していたという。 「大麻所持の立件はブツを押収することが必須なので、自宅に置かれているとある程度の確信を持って逮捕に踏み切ったとみられる」(同・全国紙記者) 今後は麻薬取締法違反(共同使用)の罪で起訴されるとみられ、 「初犯だということもあり、執行猶予付きの有罪判決になると予想されるが、自身や所属事務所、仕事関係者に与える被害や影響は少なくない。まず判決後に1年以上は謹慎になるだろうし、決まっていたNHKの連続テレビ小説『ばけばけ』(9月29日スタート)は降板が決まるなど所属事務所の損害もかなり大きいはず」(芸能プロ関係者) そして清水容疑者は、松本潤主演の日曜劇場『19番目のカルテ』(TBS系)で内科の医師鹿山慶太役を演じていたが、9月7日放送の最終回は清水容疑者の出演シーンを全てカットして放送するなど対応に追われた。 放送の前日の6日夜、主演で座長の松本潤(42)がTBS系の『情報7daysニュースキャスター』に生出演。清水容疑者の大麻事件と『19番目のカルテ』の対応について異例のコメントをした。 松本は、 〈撮影現場でお会いしてましたけど、何か特別に違和感を感じるようなことはなかったですし、朝報道でその状況を知ったときに、まさかと、信じられない思いでしたし、何より非常にショックを受けました〉 と胸中を明かした。また、 〈日本の医療が少しでも前向きになるような思いを込めてドラマを作っていたので……そのような題材を扱っていたにもかかわらず、今回このようなことが起きたのは非常に残念でした〉 と語った松本の姿は、少し憔悴している様子がうかがえた。裏切られた思いだったに違いない。 ◆逮捕後の最終回は視聴率が大幅アップ 最終回から清水の出演シーンを全てカットして再編集する作業に追われたようで、コメンテーターの三谷幸喜氏(64)も 〈あんなに上質の素敵なドラマが完璧じゃない形で視聴者に伝えなきゃいけない。本当にスタッフの方がつらいと思います〉 とスタッフに同情した。 松本の異例の生出演に、 「番宣がらみとはいえ、松本がニュース番組に生出演して事件について語ったことで、事件を起こす共演者やスタッフにどれだけ迷惑がかかるか、どんな悲しい気持ちになるのか、具体的に分かったことは意義があった。もし、昔のジャニーズ事務所だったなら、このような事態に陥ったら、タレントを守るために松本を出演させることはなかったでしょうね」 とはテレビ局関係者。清水容疑者は勾留先の湾岸署の留置場で何を思うのか。事件を反省するだけでなく、松本や三谷監督の指摘を重く受け止めるべきだろう。 そして何より、生出演することで賛否両論が巻き起こるのを覚悟のうえで、勇気をもって出演した松本の決断は大きい。結果的に『19番目のカルテ』という作品を守ることになった。 最終回の視聴率が大幅に上がったのも、話題性もあったのだろうが、それ以上に松本が率直に“今の気持ち”を語ったことが視聴者の好感を呼び、清水容疑者逮捕によるドラマへの嫌悪感を払拭できたのが大きい。“積極的な行動”が最大の防御になることを示した格好だ。 それにしても、またしても麻薬逮捕者が出た芸能界。清水容疑者は入手先について黙秘しているというが、芸能人は人気があるほど収入も多く“太客”(水商売などで多額の金を使う客)になる可能性があるので密売人からの誘惑も多いといわれる。 業界内での再発防止のためにも、清水容疑者の大麻事件の入手ルートの解明は必要になりそうだ。 取材・文:阪本 良(元『東京スポーツ新聞社』文化社会部部長)

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