かつて「6年半一度も一般質問が行われていない議会」として注目された福岡県大任町の議会。 今年の9月議会では、明るみになった国会議員秘書への”情報漏えい”や”町長選での買収事件”について、議員からの一般質問を認めませんでした。 専門家は「議会が職務を放棄している」と指摘しています。 「終わった話」「前向きな質問ではないから」と話す議長。 なぜ、「質問させない事態」が繰り返されるのでしょうか。 ■”情報漏えい”で和解町長が報告 RKB 今林隆史 記者 「町長選で逮捕者が出たり、情報漏えいで和解したりと様々な問題が明らかになっている大任町。ただ、これに対する議会での一般質問は認められませんでした」 9月3日の大任町議会の冒頭、永原譲二町長が情報漏えいで訴えられていたニュースサイトの記者と和解したことを報告しました。 大任町 永原譲二 町長 「損害賠償請求事件に関し、裁判所より和解案が示され、弁護士等との協議の結果、この和解案を受け入れることとした」 ■記者が情報公開請求した内容が武田良太総務大臣(当時)の秘書に漏れた この問題は2021年、ニュースサイト「ハンター」の記者が大任町と田川市に情報公開請求した内容が当時の武田良太総務大臣の秘書に漏れていたものです。 記者は、秘書からかかってきた電話のやりとりを録音していました。 武田良太氏の秘書「それはビビリますよ。こんな情報開示請求きたら」 ハンター記者 「別に大臣が気にしているわけじゃないんでしょ?」 武田良太氏の秘書「気にしていますよ」 ■町長は「情報漏えい」を強く否定していた 取材に対し永原町長は、町の職員1人と自身以外は請求内容を知らないとした上で情報漏えいを強く否定してきました。 【23年9月】 記者「知り得る方は担当者と町長?」 大任町 永原譲二 町長 「そうそう。あなたたちの目的は、町長が漏らしたって言いたいだけの話でしょう。ただ特別職は守秘義務違反になるかどうか分からん。この前調べさせたら、特別職は守秘義務違反って言わん。私は特別職です」