全国の教員グループが女子児童の盗撮画像などを交流サイト(SNS)で共有したとされる事件で、千歳市立北斗中の教諭が逮捕されたことを受け、道教育委員会は19日、盗撮防止のために校内点検を今月末までに行うよう道立校や市町村教委などに通知した。札幌市教委も同様の通知を出し、学校現場は実態把握と再発防止を迫られている。 北斗中の技術家庭科教諭、柘野(つげの)啓輔容疑者(41)は昨年から今年、道内の施設で16歳未満の少女2人の性的な姿を撮影してグループのチャットに送信したとして、性的姿態撮影処罰法違反(撮影)容疑で17日に愛知県警に逮捕された。千歳市教委によると2021年4月から同校で勤務し、2年生のクラス担任をしていた。16日は通常通り勤務していたという。 愛知県などで教員グループの逮捕が続いたことを受け、道内の各校は7月に学校施設内での点検を実施。この時は、北斗中を含む全校で教員による盗撮は確認されなかったが、改めて教室やトイレ、更衣室などを点検する。 道教委は4月、懲戒処分の指針を見直し、管理職の承認なく児童生徒とSNSで私的にやりとりした場合に戒告とすることなどを定めた。9月12日には、スマートフォンなど撮影機能がある端末を教室や体育館など児童生徒の活動の場に持ち込むことを原則禁止とする通知を出している。 19日に市町村教委の担当者や道立校長らを集めて開かれた緊急会議で、道教委の中島俊明教育長は「対応を進める中、逮捕者が出たことは大きな衝撃で極めて遺憾。児童生徒や保護者に計り知れない恐怖や不安を与え、学校や教員への信頼を裏切る」と危機感を示した。 道教委と札幌市教委は、校内の点検のほか、10月17日までに教職員に研修を実施することも求めている。【後藤佳怜、平山公崇、片野裕之】