中国・武漢のコロナ初期報道で収監された記者、再び懲役4年 出所後わずか3カ月

新型コロナウイルスの発生初期段階に感染が広がった中国湖北省武漢で実態を取材して発信し、「公共秩序を乱した」として罪に問われた中国人ジャーナリストの張展氏(42)に対して上海の裁判所は19日、懲役4年の実刑判決を言い渡した。国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」(RSF、本部パリ)が発表した。 「国境なき記者団」(RSF)によると、中国で新型コロナ感染拡大を報道し、収監された市民ジャーナリストが、再び懲役4年の実刑を言い渡された。 中国人記者の張展氏は2020年、新型コロナ発生初期段階に感染が広がった中国・武漢の実態を取材・発信し、懲役4年の刑に服していた。張氏は逮捕前、数カ月間にわたり武漢の病院の混雑した様子や、閑散とする街並みを報じ、公式発表よりも深刻な実態を伝えた。 張氏は逮捕後、ハンガーストライキを行ったが、当時の弁護士によると管を通して強制的な栄養補給が行われた。 RSFによると上海の裁判所は張氏に対し2020年12月、「公共秩序を乱した罪」で懲役刑を言い渡した。人権団体によると、張氏の健康状態は悪化し、2023年中頃には刑務所内の病院に収容された。張氏の収監に対して香港で抗議活動が行われたほか、米国務省は起訴は茶番だと非難した。 張氏は2024年5月に釈放されたが、RSFによればその3カ月後に再び拘束された。 RSFによると裁判所は19日、張氏が中国の人権状況について新たな発信を行ったとして、同氏に再び「公共秩序を乱した罪」で懲役4年を言い渡したという。RSFは国際社会に対し、張氏釈放を中国政府に働きかけるよう求めている。 張氏の元弁護士は今回の判決について、張氏が海外のウェブサイトでコメントした内容に基づいており、罪に問われるべきではないとXで訴えた。 中国当局は、張氏のいずれの罪状に対しても具体的にどの行為が問題とされたかを公表していない。中国外務省は21日時点でコメント要請に応じていない。

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