旧統一教会・韓鶴子総裁逮捕…捜査中止求め信者ら抗議 ”後継者”めぐり内部で権力争いも「分裂」「弱体化」可能性は日本でも

夜明け前の韓国・ソウル拘置所前に集まった人々。 旧統一教会の信者たちです。 声をそろえて求めたのは、政治資金法違反などの疑いで23日未明に逮捕された教団トップ、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁(82)に対する捜査の中止。 絶対的存在である韓総裁の逮捕を受け、教団は今後どうなるのか。 韓国で取材を続けるジャーナリストに聞きました。 教団への支援を求め、尹前大統領の妻などに金品を贈ったなどの疑いで取り調べを受けていた韓総裁。 22日の取り調べ終了後、記者から飛ぶ矢継ぎ早の質問には一切答えず、その場をあとにしました。 韓総裁は、それから数時間後の23日未明に逮捕され、ソウル近郊の拘置所に収監されたのです。 教団トップの逮捕を受け、旧統一教会は「裁判所の判断を謙虚に受け止める」「ご心配をおかけし、心よりおわび申し上げます」とコメントしています。 フジテレビの宮司愛海キャスターは3年前、韓国にある教団本部周辺を取材。 その際に同行した韓国のジャーナリスト、オ・ミョンオク氏に旧統一教会の今後について聞きました。 オ・ミョンオク氏: (きのう)拘置所前にも行ったんですが、信者たちがとても怒りに満ちていました。(今後教団の)内部はとても混乱し、権力争いが激しくなりそうです。これ以上の布教は難しいでしょうし、しばらくは内紛が続き、さらに力が弱まると思います。 教団を揺るがすトップの逮捕。 これにより、日本での教団運営はどうなっていくのでしょうか。 オ・ミョンオク氏によると、最近、特別検察の調査が入ったため、組織改編も頻繁に起きているということです。 さらに、ジャーナリストの鈴木エイトさんにも話を聞くと、今後、幹部同士の権力争いに発展する可能性が高いということです。 というのも、創始者の文鮮明氏と韓鶴子総裁の間には七男七女の子供がいるとされていますが、文氏が亡くなる前後に後継争いが起き、後継者候補だった息子たちが追放されているということなんです。 さらに現在、実質ナンバー2の鄭元周(チョン・ウォンジュ)前秘書室長という人物が、韓総裁だけが逮捕されたことで「責任を全てなすりつけた」と幹部から批判されているということで、こういったことから、この逮捕によって権力争いがまた起こる可能性があると鈴木エイト氏は指摘しています。 組織改編も頻繁に起きているということで、この辺りも引き続き注視ということになりそうです。 日本の教団にはどのような影響があるのか、鈴木エイト氏によりますと、今後、誰が実権を握るかによって韓国では分裂・弱体化する可能性があると。 それによって、日本でも弱体化する可能性があることを指摘しています。 また、日本の旧統一教会の現役信者の方は、「お母さん(韓鶴子総裁)を心配している。国策によって韓国の政権が変わったことで迫害を受けている」と話しているということで、今回の逮捕を受けて、信者同士でより反発を強める可能性を指摘されています。 さらに日本の旧統一教会は、逮捕を受けて「韓鶴子総裁側の主張が認められず、このような事態となったことは誠に遺憾です」とコメントをしています。 また、日本の被害対策弁護団も「統一教会の豊富な資金は日本からの多額の送金が原資となっているとみられている」「韓国において、統一教会の身勝手な影響力拡大のため、違法に使われていたなどというのは言語道断です」と声明を発表しています。 青井実キャスター: 韓国の教団本部にも被害者救済の責任を果たすように求めているわけですが、救済は進んでいきますか? SPキャスター 山口真由氏: 救済の原資に韓国の教団側のものを使うということの他に、韓鶴子総裁は日本の教団に対する影響力がすごく強いんですよね。でも、もしここで資金の使途が明らかになって、日本から吸い上げられたお金で韓国で、場合によっては韓鶴子総裁の豪遊に使われていたということが明らかになれば、日本での求心力を失う可能性があると思います。 韓国よりも日本のほうが信者数が多いとも言われていて、引き続き注視が必要だということです。

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