「お母様が陣頭指揮」 旧統一教会、尹氏当選へ組織動員か 韓国報道

韓国のJTBCテレビは23日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)総裁の韓鶴子(ハン・ハクチャ)容疑者(82)が、2022年3月の韓国大統領選で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領を当選させるために組織を動員する指示を出したことを示すとする内部文書を伝えた。韓総裁は同日、教団の男性幹部と共謀し、尹前大統領の妻や側近に金品を渡した疑いなどで特別検察に逮捕された。 JTBCが報じたのは、旧統一教会の五つの地区長が大統領選投開票日の翌日に韓総裁に伝えた報告書。文書でA地区長は「真のお母様が陣頭指揮してくださったので、天が祝福した候補が当選」、B地区長は「最高指導者を選択できるナビゲーションをくださってありがとうございます」と報告していた。また、C地区長は「20万の祝福組織の力がどれほど重要なのか、大統領選挙の結果の差を見て悟った」と書いていた。 尹前大統領が当選した22年の大統領選は、当選者と次点の得票率の差がわずか0・73ポイントで「歴代最も僅差の大接戦」と言われた。 この他、文書には韓総裁が大統領選の1週間前にソウル市内のホテルに旧統一教会幹部を集め、選挙について協議したことを示唆する内容もあったという。 特別検察の捜査では、尹前大統領が所属していた保守系野党「国民の力」と旧統一教会が密接に関わっていたことが明らかになっている。ただ、旧統一教会やその信徒は元々、保守政党との関係が深く、22年の大統領選の結果に与えた実際の影響については不明な部分もある。【ソウル日下部元美】

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