尾木ママ、市教委に「変化を感じない」…大津いじめ自殺一周忌
スポーツ報知 2012年10月12日(金)8時3分配信
大津市の公立中2年の男子生徒が自宅マンションで自殺してから11日で1年となった。自殺の原因を考察する外部有識者による第三者調査委員会のメンバーの一人、教育評論家・尾木直樹氏(65)がスポーツ報知の取材に応じ、事件の究明に消極的な姿勢を見せる市の教育委員会に対し「目に見える変化を感じない」と非難。この日、男子生徒が通っていた中学校では、全校生徒が集まりメッセージをささげる「命の集い」が行われた。
一向に問題解決へと進まない状況に、尾木氏は憤りを隠せなかった。「事件から1年が過ぎても(市教委に)外から見て分かるような、目に見える変化はないですね」。互いに協力するべきはずの関係だからこそ、厳しい言葉で改革を求めた。
今年7月、男子生徒の自殺について市教委のずさんな調査が判明し、一気に報道が過熱。真相究明のため、尾木氏らによる第三者調査委員会が8月に発足した。9月18日には、自殺前には学校がいじめを認識していた可能性があると市教委が初めて示すなど、これまでの不誠実な対応に我慢がならなかった。
同20日には委員会による授業視察が行われたが、学校側は一度は委員会側の要望を却下。尾木氏が「会見で経緯を公にする」と話すと、一転してOKに。「一緒になって解決していこうとしているのか」と、学校や市教委への不信感をぬぐえなかったという。
尾木氏によると、今月上旬から始まった委員会による教員への聞き取り調査は、11日現在で大部分を終えた。「一人一人は教師として力もある。なのに問題が起きる理由として多忙なこともあるかもしれない」。尾木氏は一般論と前置きした上で、生徒数に対する教員数の少なさを指摘。生徒とのコミュニケーションを希薄にし、目の前のいじめに対する感度を鈍らせてしまったのではないかと分析する。
この日、中学校では「命の集い」が行われたが、尾木氏は委員会のメンバーとしての中立性を保つため現場には行かず、男子生徒の自宅へ花を届けたという。「少しでも早く解明しないといけない」。また、市教委に対し「上から目線では生徒を守れない。もっと温かみのある対応をしてほしい」と訴えた。言葉の節々から感じる危機感が、事態の深刻さを示していた。