ストーカー事件起きたら? 通報受けた警察はどう動く 署員が通信指令競技会でブロック優勝/兵庫・丹波篠山市

事件・事故が起きた際、警察官が無線を使って現場の状況をいかに正確に伝えられるかを競う「兵庫県警察通信指令競技会」で、同県篠山警察署の署員2人がブロック優勝を果たした。 46署が、▽神戸・淡路(第一方面)▽阪神・但馬(第二方面)▽東西播(第三方面)―の3ブロックに分かれて競った。篠山署が所属する阪神・但馬ブロックには15署が出場。2人は10月8日に警視庁(東京都)で開かれる全国大会へ出場する県選抜メンバーに選出される権利を獲得した。 県競技会は2人一組で行われ、指令室を増井良多警部補(43)が、現場の警察官を木村駿介巡査長(27)が担当。事件の想定は、競技開始まで知らされない。 二人に課せられた事案は「ストーカーに絡む事件発生」。女性が勤務する携帯電話ショップに、ストーカー行為をしている元交際相手の男が訪ねてくるかもしれない、という女性の父親からの110番通報により、被疑者逮捕までの20分間の競技がスタートした。 複数人の審査員の鋭い視線を浴びながら、木村巡査長が、▽女性が勤務先に現れた男と一緒に店を出て、公園方向に向かった▽女性が男に刃物で切り付けられ、腕を負傷している▽男は刃物を持ったまま逃走している―など、次々に展開するシナリオに対応しながら、現場の状況を逐次、指令室へ無線で伝えた。増井警部補はそれらの情報をもとに、周囲の警察官へ指令や手配をかけ、被疑者逮捕にこぎつけた。 増井警部補は、「丹波篠山ではこのような凶悪な事案の発生はないが、この競技を通じて、いざというときの心づもりと、初動対応の大切さを改めて認識できた」と話した。 木村巡査長は、「大変緊張したが、被害者の安全確保と被疑者の身柄の確保を第一に、現場の状況の把握に努め、正確・迅速に指令に通報することを心がけた。この経験は実際の現場でも役立つと感じた」と振り返った。 「近年にない好成績」に喜ぶ二人は、現在、再任用で同署の指令担当として勤めている木原秀典さん(61)に感謝している。木原さんは現役時代、県警本部の通信指令室で長年活躍。同競技会に向け、約1カ月間にわたって二人にノウハウを伝授したという。 同署によると、県内では昨年、一日平均1300件、丹波篠山市内では5.9件の110番通報が寄せられたという。

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