30代の女性を刃物で刺して殺害したとして、大阪府警は2日、自営業の永久寛史容疑者（51）=大阪府東大阪市箱殿町=を殺人容疑で逮捕し、同日未明に発表した。 永久容疑者は容疑を認め、「感情が一気に暴発してしまい、刃物で刺した」と供述しているという。 捜査1課によると、永久容疑者は1日午前11時半～午後1時40分ごろ、自宅で無職の佐藤ありささん（33）=住居不詳=の腹部などを刃物で複数回刺して殺害した疑いがある。佐藤さんには十数カ所の傷が確認されたという。 現場は飲食店兼住宅の3階にある一室。府警の説明によると、佐藤さんは永久容疑者の元交際相手で、2人は過去にこの家で同居していたという。 永久容疑者は逮捕前の調べに「自宅で被害者と話をしたが、次第にもみ合いになり、腹が立って刺した」などと説明したという。府警が事件の経緯を詳しく調べている。 府警は2022年～24年、永久容疑者から胸ぐらをつかまれるなどの暴行を受けたとして、佐藤さんから計3回の相談を受けていた。 2人は当時交際中だったとみられ、府警は永久容疑者に口頭注意などをしていたという。 府警は当時の対応について「被害者の意向を踏まえ、口頭注意などをしてきたが、被害者が亡くなっており、対応が適切だったかどうかのコメントは差し控える」としている。 永久容疑者は1日午後1時40分ごろ、「人を刺した」と枚岡署に出頭した。当時永久容疑者は右手を負傷していたという。 永久容疑者の説明に基づき現場を訪れた警察官が、血を流して倒れている佐藤さんを発見した。（宮坂知樹、岡田真実）