元交際相手の女性を刃物で複数回突き刺して死亡させたとして、大阪府警に殺人容疑で逮捕された大阪府東大阪市の自営業、永久寛史(ながひさひろし)容疑者(51)。2人の関係を巡り、女性が容疑者に胸ぐらをつかまれたなどの相談や通報が過去に計5件あり、事件4日前にも口論を理由に女性が110番していた。 府警人身安全対策室によると、令和4年6月以降、女性が交番を訪れて容疑者の暴力を相談したのが3回、口論になったとして女性が110番したことが2回あった。2回目の110番は9月27日。女性が容疑者宅に荷物を取りに行った際に口論となっていた。 少なくとも最後の相談があった6年10月までは交際中だったが、9月27日時点で関係が継続していたかは不明という。 暴力の相談は、胸ぐらをつかまれたりタオルでたたかれたりしたとの内容で、女性にけがはなかった。事件化を望まなかったため、府警枚岡署が容疑者を口頭注意するなどした。 同署が女性に防犯指導をするとともに、実家へ避難させたり女性宅に送り届けたりする対応をしたこともあった。人身安全対策室は「寄せられた通報、相談には被害者の意向を踏まえ、しっかりと対応した」としている。 永久容疑者の逮捕容疑は1日午前11時半~午後1時35分ごろまでの間、東大阪市箱殿町の自宅で、住居不詳の無職、佐藤ありささん(33)の腹部などを刃物で複数回突き刺し、死亡させたとしている。容疑を認め、「感情が一気に暴発してしまい、殺意を持って刃物で刺した」と供述しているという。