【AFP=時事】来年2月の米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の王者決定戦「スーパーボウル」で、米領プエルトリコ出身の人気歌手バッド・バニーさん(31)のハーフタイムショーへの出演が決まったのを受け、ドナルド・トランプ政権当局者は、スーパーボウルで不法移民の一斉摘発を行う可能性があると警告した。 クリスティ・ノーム国土安全保障長官の顧問を務めるコーリー・レバンドフスキ氏は1日、ポッドキャスト番組での保守系インフルエンサーのベニー・ジョンソン氏との対談で、「この国に不法滞在している者に安住の地は存在しない。スーパーボウルも例外ではない。安住の地はどこにもない」と主張。 「あなた(不法移民)を見つけ出して逮捕する。収容施設に入れて、国外追放する」と付け加えた。 トランプ氏は1月の就任後、不法移民取り締まりを開始し、米国で暮らす不法移民数百万人の国外追放を誓った。 バッド・バニーさんは最近、米移民当局が自身のコンサートを標的にすることを懸念し、世界ツアーで米国をスキップすると発表した。 レバンドフスキ氏は、「不法移民がいるなら、ジョニー・スミスでもバッド・バニーでも誰のコンサートであろうと、われわれはあらゆる場所で取り締まりを行う。米国民の安全を守るためだ」と述べた。 バンドフスキ氏は他の多くのトランプ政権関係者と同様、ルワンドウスキー氏は、毎年1億人以上が視聴するハーフタイムショーのヘッドライナーにバッド・バニーさんを選んだNFLを「ウォーク(目覚めている、の意。社会問題や人種差別、性差別などへの意識が高いことを示す)」だと批判。 「NFLが米国をひどく憎んでいるように見える人物を選んだのは、実に恥ずべきことだ」と述べた。 スーパーボウルのハーフタイムショーには伝統的に大物ミュージシャンが出演しており、過去にはマイケル・ジャクソンさん、ザ・ローリング・ストーンズ、マドンナさんなどが出演した。 トランプ氏に忠誠を誓う「米国を再び偉大に(MAGA)」運動の支持者らは、プエルトリコ(スペイン語が主要言語)出身のバッド・バニーさんがほぼスペイン語で歌っていることから、ヘッドライナーに選ばれたことに特に憤慨している。 バッド・バニーさんが2024年大統領選でトランプ氏の対立候補だった民主党のカマラ・ハリス前副大統領を支持したことも、MAGA派に嫌われる一因となっている。【翻訳編集】 AFPBB News