イギリスのロンドン警視庁はこのほど、過去1年間に最大4万台の盗難された携帯電話をイギリスから中国に密輸した疑いのある国際犯罪組織を解体したと発表した。 同庁によると、イギリス史上最大のスマートフォン盗難に対する捜査で、アフガニスタン国籍やブルガリア国籍などの計18人を逮捕し、2000台以上の盗難端末が発見した。 警察は、この組織がロンドンで盗まれた携帯電話の最大5割を外国に送っている可能性があると考えている。 ロンドンで盗まれた携帯電話の数は、2020年の2万8609台から2024年には8万588台と、過去4年間でほぼ3倍に増加している。現在、イギリスで盗まれる携帯電話の4分の3はロンドンで盗まれている。 ロンドンには毎年2000万人以上が訪れる。ウェストエンドやウェストミンスターといった観光地では、ひったくりや盗難が多発している。 英国家統計局(ONS)の最新データによると、2025年3月までの1年間で、イングランドとウェールズ全体で「個人からの窃盗」が15%増加し、2003年以来の高水準となった。 国内外で中古の携帯電話への需要が高まっていることが、盗難増加の主な要因だと考えられている。多くの被害者は、端末を取り戻せずにいる。 BBCニュースのシマ・コテチャ国内担当上級編集委員が、容疑者の詳細や犯罪の手法、警察の家宅捜索を含む捜査を取材した。