AI開発スタートアップ企業の株式会社オルツは9日、元社長・米倉千貴容疑者や前社長・日置友輔容疑者ら4人が金融商品取引法違反の容疑で東京地方検察庁に逮捕されたことについて、公式声明を発表した。 同社は同日にプレスリリースを公表。「このような事態に至りましたことは誠に遺憾であり、弊社関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを、深くお詫び申し上げます」とコメントした。 同社はAI技術を活用して音声から議事録を生成するSaaS「AI GIJIROKU」を提供していたが、同サービスに関する販売パートナーからの受注売上の大半について循環取引の疑惑があがっていた。 今年7月に公表された第三者による調査の結果、広告宣伝費や研究開発費の支払名目で資金を支出し、広告代理店を経由して一部の販売パートナーに対して支払い、最終的に当該販売パートナーから支払を受ける、いわゆる「循環取引」で売上代金を回収していた事実が確認された。 この循環取引により、2020年12月期から2024年12月期までの期間において、売上高で累計約119億円、広告宣伝費で約116億円、研究開発費で約13億円がそれぞれ過大計上されていたと指摘。 今回、東証グロース上場後の今年3月において24年12月期の売上高を約49億円水増しした有価証券報告書を提出、公表した疑いなどにより、逮捕に至ったとのこと。 同社は8月に東京地裁で民事再生手続きの開始が決定し、上場廃止となったほか、創業者の米倉容疑者はすでに社長を辞任。同社は「関係当局による捜査に全面的に協力してまいります」としている。