特殊詐欺関与の疑い、暴力団の2人を逮捕 空き部屋で現金受け取りか

賃貸物件の空き部屋に現金を送らせる手口の特殊詐欺に関わったとして、警視庁は、いずれも住吉会系暴力団幹部の山下正博(44)=東京都世田谷区=と、組員の岩切博信(35)=台東区=の両容疑者を詐欺容疑で逮捕し、30日に発表した。認否は明らかにしていない。 両容疑者の逮捕容疑は、何者かと共謀して静岡県の男性に電話で「あなたの携帯電話が原因でウイルス感染の被害が生じている。保険料が必要」とうそをつき、現金300万円を都内のアパートの空き部屋に送らせ、部屋の前で受け取ったというもの。 特別捜査課によると、両容疑者らは不動産会社経営の男性=別の事件で詐欺未遂幇助罪で起訴=を通じて、不動産業者間で使われるサイトで、空き部屋の内見を予約。合鍵が入ったキーボックスの場所などの情報を悪用し、協力する別の人物が被害金を受け取ったとみられるという。 同課は、男性が内見予約した都内の賃貸物件のうち昨年1年間で約80件が特殊詐欺に使われ、被害額は合計約11億円に上るとみている。 賃貸物件の空き部屋を受け取り場所として使うことで、事件の発覚を免れようとした可能性があるという。(三井新、西岡矩毅)

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