「優しい言葉で金出すATMと思われた」と女性後悔 色恋営業で性風俗店に ホストら逮捕

ホストクラブで多額の売掛金(ツケ)を抱えた女性を性風俗店に斡旋(あっせん)したとして、大阪府警生活安全特別捜査隊は、職業安定法違反容疑でスカウトグループやホストなどの男7人を逮捕したと発表した。「君を大切にする」「俺を応援してほしい」。甘言を弄して女性を性風俗店に誘導したホストたち。女性は府警に「優しい言葉をかけると金を出してくれるATMと思っていたのだろう」と後悔の言葉を口にしているという。 逮捕されたのは、いずれも大阪市西区の会社役員、山本慎二容疑者(35)や、自称「職業紹介業」の草本竜世容疑者(29)ら。山本容疑者は調べに対し黙秘し、草本容疑者は容疑を認めているという。 府警によると、山本容疑者はスカウトグループのトップで、草本容疑者は実際に女性を集めてくる役割だった。 草本容疑者の逮捕容疑は、令和5年7月~昨年7月、名古屋市と奈良県内の性風俗店に20代と30代の女性2人を紹介したとしている。山本容疑者は20代女性の斡旋に関与したとされる。 「俺を応援してほしい」。府警によると、30代女性はこうした言葉に惑わされ、ホストにのめりこんでいった。知人男性に誘われて訪れた大阪市内のホストクラブ。初回の料金はわずか千円だった。 通うにつれて次第に会計は多額になり、1回で400万円以上にのぼることも。ホストは「借金してでも店で金を使ってくれ。俺を応援してくれ」とたたみかける。最初は「パパ活」を提案された。そして、「ほかに女の子もいるけど、最後は君を選びたい」とより稼げる性風俗店での勤務を提案されたという。 20代女性は別のホストクラブに通っていたが、こちらも最初の料金は3千円と低額だった。再び店を訪れると、「君を大切にする。応援してほしい」と言われ、次第に高級シャンパンを注文するようになった。 キャバクラやガールズバーで勤務したが、借金は膨れ上がり、「性風俗店で働くしかない」と考えるに至った。借金は最終的に約200万円になっていた。 この女性は「優しい言葉をかけるとお金を出してくれるATMだと思っていたのだろう。ホストと出会って人生が狂った」と当時を振り返り、「ホストもスカウトも許せない。私のような被害に遭う女性を救ってあげてほしい」と話しているという。

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