NHK党・立花容疑者を逮捕・送検、なぜ今のタイミング? 伊東市長選へ出馬表明、執行猶予中、刑事告発から5カ月…弁護士が解説

亡くなった元兵庫県議の名誉を傷つけた疑いで逮捕された政治団体「NHK党」党首の立花孝志容疑者が10日に送検された。立花容疑者を名誉毀損の疑いで刑事告訴していた竹内元県議の妻は、逮捕を受けて「今はほっとしています」と話している。 逮捕のタイミングが今になった理由や今後のポイントなどについて元大阪地検検事の亀井正貴弁護士に聞いた。 ━━今回の逮捕をどのように受け止めているか? 「通常、名誉毀損罪は不起訴や罰金になるケースが多く在宅捜査だ。その中で逮捕・身柄事件に至ったことは画期的だ。名誉毀損は3年以下の拘禁刑とあまり重くないにもかかわらず身柄事件にしたのはこの事案を悪質かつ証拠隠滅の恐れがあると判断したのだろう」 ━━なぜ異例の形をとったのか? 「一つは人が亡くなっており、事案の悪質性が際立っていること。そして立花容疑者には前科があり執行猶予期間中であるからだ。執行猶予中の同種再犯は原則として実刑で、その意味でも重いと判断したのだろう。加えて立花容疑者は著名人であることも影響する。政治的な関係者であることで逮捕のハードルは高くなるが、反面、社会的影響度が大きいためその点も判断の一つだと思う」 ━━亡くなった方に対する名誉毀損で逮捕は珍しいのか? 「死者に対する名誉毀損で検挙というのは聞いたことがない。死んだ人に対する名誉毀損は『言っている内容が嘘であると認識した上でなければ犯罪が成立しない』ため、嘘であるという認識について立証する必要があるが重要な証拠ともなり得る方が亡くなっているため、立証のハードルも高い」 ━━被害者は竹内元県議なのか? 「その通りだ。告訴できるのは、亡くなられた方の親族や子ども。遺族の方は間接的な被害者であり、かつ告訴権者だ」

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