東京・赤坂のライブハウス前で女性を切りつけて逃走した犯人に「強い殺意と計画性」元刑事が指摘

東京・赤坂のライブハウス前で女性が切りつけられて重傷を負い、犯人と見られる男が逃走したという事件を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が17日、デイリースポーツの取材に対し、犯行の計画性や捜査の行方について見解を語った。 16日午前10時25分ごろ、東京都港区赤坂3丁目のビルで女性が黒い帽子の男に切り付けられ、出血しているとの通報があった。警視庁赤坂署によると、女性は40代で病院搬送時は意識があり、腹部や手のひらに重傷を負った。女性は切りつけた男について「面識がない」と話している。 女性は歌手とみられ、ビルの地下1階にあるライブハウスに出演するため、店の前で1人で待っていたところを刃物で襲われた可能性があるという。男はいずれも黒の帽子と作業着姿でマスクをしており、自転車で逃走した。同署が殺人未遂容疑で行方を追っている。 小川氏は「計画性があり、強い殺意を持った犯行だと考えられる」と推測。その根拠について「被害者の女性がライブハウスのあるビルに入った直後に襲っているという点、凶器を事前に準備していた点、腹部を刺して臓器にまで達する深い重傷を負わせたこと、さらに1時間くらい前から、男がこの付近を徘徊しており、それが“待ち伏せ”だった可能性も考えられる」と指摘した。 その上で、小川氏は「この被害者の女性が過去にもこのライブハウスに出演したことがあるのか、初めてだったのか等も含めて、警察は捜査していく。被害者は『犯人は誰かは分からない』と言っているようですが、ライブハウスに出演するような職業だと一方的に知っている可能性もあり、トラブル等に関しても捜査を進めていく」と補足した。 現場は東京メトロ赤坂見附駅から南西に約150メートルの繁華街だった。 小川氏は「私も過去、この付近で事件が発生した時などに現地に行ったことがあるが、ほとんどの建物に防犯カメラが設置されています。逃走しても、細かい路地以外だと、防犯カメラリレーでどこまで行ったかはある程度まで追いかけられる。自転車で逃げた後に徒歩に切り替えても、防犯カメラ捜査は進められているので、警察は既にその足取りを把握しているのではないかと思います」と説明した。 さらに、会場のあるビルに貼られていたライブの告知ポスターにスプレーでバツ印がつけられていたことが分かり、同署では関連を調べている。 小川氏は「このバツ印についても、防犯カメラが直接、ポスターの場所をとらえていなくても、ある程度、誰が書いたものなのか、その行動は分かるのではないか。このバツ印は非常に目立つので、(ライブ前日の)土曜日には書かれていなくて、日曜日にはあったのか…などと時間的に絞っていくことになると思います」と付け加えた。 今後について、小川氏は「犯人逮捕にはそれほど時間はかからないと思いますが、さらに逃走している可能性もある。警視庁にはSSBC(捜査支援分析センター)という専門の部署がありますから、防犯カメラを回収して分析し、捜査は既に進めてられていると思います」と解説した。

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