【伊東市長選】自身への不信任決議による失職から2週間余り…田久保前市長が出馬会見し意欲見せるも混戦予想(静岡)

静岡・伊東市の田久保真紀前市長が議会の不信任決議により失職して2週間余り、19日、出馬会見を開き再当選に向け意欲を見せました。過去最多の立候補者が出るとみられ、市長選は混戦が予想されています。 午後3時すぎ、約2週間ぶりに報道陣の前に姿を見せた伊東市の田久保前市長。 (田久保 真紀 前伊東市長) 「田久保真紀でございます。伊東の市長選にチャレンジをしていきたいと…」 自身の失職に伴い12月に行われる伊東市長選挙への出馬を表明しました。 田久保前市長を巡っては、市の広報誌に「東洋大学法学部卒業」と記載していたものの、実際は除籍だったことで学歴詐称疑惑が浮上。 9月には市議会の不信任決議を受け議会を解散。市議会議員選挙が行われました。そして、10月31日、市議会で2度目の不信任決議案が可決され失職しました。 (田久保 真紀 前伊東市長) 「本当に皆さんに声掛けしていただいて“幸せな市長さん”させていただきました」 涙の失職から約2週間。19日午後、出馬会見を行い、公約などを示しました。 (田久保 真紀 前伊東市長) 「自身が、この先、この町の未来についてどう向き合っていくのか考えてまいりました結果、ほかの候補者の方、今回はたくさんの立候補があるということで、そちらの政策も拝見をさせていただきました。華やかな政策が並ぶなという感想があるんですが、今本当にこの街に必要なこと、この街に多く山積する課題について、もっとですね、シビアな目線で政策提言、それから議論を重ねていくべきではないかと、そのように思っております。そういったことも含めまして、私ももう1度、本日、皆様の前で、この先の伊藤の街の未来についてもう一度お任せいただけるのであれば、伊東の市長選にチャレンジをしていきたいと、そのように思いまして、本日、ご報告の場とさせていただきました」 先日廃案になった新図書館整備計画」については、廃校の利用などを検討していくということです。 (田久保 真紀 前伊東市長) 「心残りなものもいくつかございます。その中の1つ取り上げられますが、メガソーラーの問題もございます。私が発言してまいりました水面下で動いているという状況は、これは訴訟の場では本当に大変正念場を迎えております。最終的には市長の決断、そして市長の意見というものが大きく影響してまいりますので、こちらにつきましても、一体誰であれば、このずっと地元が抱える10年来の問題になりますが、これを解決できるのか、そういった点につきましても、今回の私の進退を決める上で大きな1つの起点になった、そのような形でございます。市長という時間では5か月という短い期間でありましたが、その時その時点で自分では最大限ベストを尽くしてきたと、そのように思っております。ですが、まだまだやり残した仕事がたくさんあります。何よりも、図書館の中止という具体的なお約束については実現ができたかもしれませんが、それだけではなく、やはり皆さんが、当初、私を送り出していただいた改革を進めていくということ、伊東の市政を変えていくということについて、私は、まだ道半ばであり、皆さんのご期待に十分応えられてはいないと、そのように考えております。どうか、かなうことでしたら、もう1度皆さんのお力をお貸しいただいて、私を市政の場に送り出していただきたい、そのように考えております」 約10分にわたり決意を述べた田久保前市長。 (田久保 真紀 前伊東市長) Q.田久保さんにしかない強みはどんなところ? 「それはですね、このメンタルの強さと、市民の皆さんの先頭に立って、私が自ら戦う首長として決断をして戦うという姿勢であると思っています」 Q.何が突き動かした? 「やはり、もっと負けないで頑張ってほしいという言葉もありました。もちろん、おしかりの言葉もあるが、道半ばで、このまま降りてしまうというのでは違うのではないか」 過去最多の立候補が予想される今回の伊東市長選。これまでに5人が出馬を表明しています。 スポーツインストラクターの石島明美氏58歳は、4年前の市長選で落選し、2度目の挑戦。公約に市長給与の5%減額や、年に1回1万円の現金給付などを掲げています。 (石島 明美 氏・58歳) 「失われてしまった伊東市民の誇りをしっかりと取り戻す。清潔で正直な政治を伊東から始めていく。私は、しっかりと人々の目を見て、人々の声を聴いて、私も自分の思いを語り対話を重ねてやっていく。まずは人々の信頼を取り戻して、このまちはやっていけるという決意を新たに頑張っていく」 前伊東市議・杉本憲也氏43歳は、期限を設けた市民税の減税や「おこめ券」の配布。妊娠・出産費用の無償化を公約に掲げています。 (杉本 憲也 氏・43歳) 「今回の選挙戦は、ズバリ伊東市が昔に戻るのか前に進むのか、この選択が問われている。私は43歳の若さで20年後も責任を持てる。杉本憲也が、伊東市を皆さんとともに前に進めるべく立候補する決意をした」 市長選へ初挑戦する黒坪則之氏64歳は、市内の薬局チェーンの顧問で、医療介護福祉の改善や町のにぎわいの復活などを重点施策に掲げています。 (黒坪 則之 氏・64歳) 「(伊東が)崖っぷちであることをみんなが知ること。その上でオール伊東で一緒になってやっていく。外を良く知る、経営を知る、医療を知る私だからこそ、市民の皆さんと一体となってオール伊東で、この崖っぷちを乗り切ることができると思っている、頑張ります」 元市長の小野達也氏62歳は、5月の市長選で田久保前市長に敗れ、現在の混乱から正常な市政を取り戻すと話し再起を目指します。 (小野 達也 氏・62歳) 「やはり、今の伊東市政を正常化させるためには、その使命を果たすのは自分なんだという風に、自らにも、もう1度問い直し決断をした次第でございます。今回の選挙で覚悟を決めて、何が何でも約束したことを着実にやっていく」 NPO法人代表の岩渕完二氏73歳は、メガソーラー問題の解決を最優先事項とし、市長室を市役所1階に移設して、公正で透明な市政運営を目指すと話します。 (岩渕 完二 氏・73歳) 「リーダーシップをとれるのは私しかいない。現実を直視して。市長というのはやらなければいけない。お花畑の話ではだめ。具体的に何をやるのかを明示してやれるのは私しかいない」 また、あす20日は、一般社団法人元専務の利岡正基氏52歳が、あさって21日はNPO法人代表の寺田浩彦氏63歳が出馬会見を行う予定です。さらに、17日に行われた立候補予定者説明会には、このほかに4陣営が出席していて、出馬を検討しています。 SNSで出馬の意向を示した後、兵庫県警に逮捕された、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首の動向は不透明のままです。 混戦が予想される注目の伊東市長選は12月7日に告示、14日が投票日です。

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