韓国の大型旅客船座礁時に木浦VTS管制官が航路逸脱アラーム「オフ」…海洋警察「業務妨害について調査」

全羅南道新安郡(チョルラナムド・シナングン)のチョク島で大型カーフェリー旅客船「クイーンジェヌビアII」が座礁した事故に関連し、韓国海洋警察が木浦海上交通管制センター(VTS)の管制過失がなかったか調べている。 24日、木浦海洋警察署によると、海洋警察は事故当時に該当の管制区域を担当していた木浦VTSの管制官Aさんを捜査対象に含めて調査を行っている。まだ刑事立件の段階ではないものの、海上交通の安全を担うAさんが、事故発生前に船舶の異常兆候を把握できなかったことに過失なかったかどうかを確認するためだ。 調査の結果、Aさんは事故当時、航路逸脱アラームをオフにしていたことが明らかになった。航路逸脱アラームとは、管制区域内の船舶が正常な航路から外れた際に自動で知らせる装置で、Aさんは「小さな漁船でもアラームが鳴り、管制業務に支障が出ていた」と供述したという。アラームが消音になっていたため、AさんはクイーンジェヌビアIIの航路逸脱を事前に把握することができず、一等航海士からの通報を受けてようやく後続の管制に入った。 事故当時、Aさんは計5000隻余りの船舶を管理しており、航路逸脱のあった別の大型船舶を集中的に管制していたと説明しているという。 海洋警察は、クイーンジェヌビアIIのの船長Bさん(60代)についても、重過失傷害および船員法違反の疑いで逮捕状を申請した。調査によれば、Bさんは出航指示後に操舵室を離れて船長室で休憩しており、狭水路区間という危険区域でも操舵室に戻らず、指揮責任を果たさなかったと判断されている。 すでに一等航海士(40代)とインドネシア国籍の操舵手(40代)は、重過失傷害の疑いで22日に拘束された。2人は操舵室で携帯電話を見ていたなど不適切な態度があり、事故の直接的な責任があることが分かった。 クイーンジェヌビアIIは19日午後4時45分、乗客246人と乗員21人の計267人を乗せて木浦に向けて出航したが、同日午後8時16分、新安郡長山島付近のチョク島で座礁した。この事故で乗客30人が負傷し、病院で治療を受けた。 運航会社シーワールド高速フェリーは、事故点検を理由にクイーンジェヌビアIIの木浦–済州航路の運航を12月31日まで中断すると発表した。

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