英裁判所、コメティー作家を無罪に トランス女性への嫌がらせで

【AFP=時事】英ロンドンの裁判所は25日、エミー賞などの受賞歴のあるコメディー作家グレアム・リネハン被告について、トランスジェンダー活動家へのオンラインでの嫌がらせの罪で無罪とする一方、携帯電話をたたき落とした器物損壊の罪で有罪とした。 1990年代の人気 シチュエーションコメディー番組「テッド神父」の共同原案を務めたリネハン被告は近年、生物学的な性別は変えられず、本人の意思で性別は決まらないと考えるジェンダークリティカル的な見解で知られている。 リネハン被告は、トランスジェンダーのソフィア・ブルックス氏(18)にソーシャルメディアで「虐待的で復讐(ふくしゅう)心に満ちた」メッセージを送ったとして起訴された。 また、ロンドンで開催された会議の傍らで、リネハン被告を撮影していたブルックス氏の手から携帯電話を故意にたたき落としたとして、器物損壊の罪でも起訴された。 ブリオニー・クラーク判事は判決で、リネハン被告の行為が「つまらない、迷惑、いら立たしいというレベルを超えて、抑圧的で容認できないもの」であるとは確信できないと述べた。 また、ブルックス氏について「自らが示したほどの不安や苦悩を感じていなかった」と結論付けた。 だが、器物損壊罪については、ブルックス氏から携帯電話を奪った際に「怒りと嫌気」を抱き、「合理的な力」を行使しなかったと判断し有罪とし、500ポンド(約10万2700円)の罰金を科し、650ポンド(約13万3600円)の訴訟費用と200ポンド(約4万1000円)の法定付加金の支払いを命じた。 人気シチュエーションコメディー「ブラックブックス」と「ハイっ、こちらIT課!」の共同制作者でもあるリネハン被告は今年、ロンドンのヒースロー空港で、X(旧ツイッター)でトランスジェンダーの人々を侮辱し、で暴力を扇動したとして武装警察に逮捕されたことで、反トランスジェンダーの立場をめぐり、英国で言論の自由をめぐる論争に巻き込まれた。 リネハン被告の逮捕を受け、米実業家イーロン・マスク氏らから国家の権限乱用を非難する声が上がり、英国の検察当局は10月、こちらの事件について「これ以上の措置は取らない」と発表した。【翻訳編集】 AFPBB News

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