香港(CNN) 香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は、150人以上が死亡した高層住宅群の火災について「正義が実現される」よう尽力すると述べた。市当局は、建物の足場を包む際に基準を満たしていないネットを使用していたとして、建設会社に責任があるとしている。 当局によると、11月26日に発生した火災は7棟の高層マンションを焼き尽くし、ほぼ2日間燃え続けた。火災に関連する逮捕者は14人に上り、さらに逮捕者が出る可能性がある。李氏は、火災の犠牲になった人々のために「真実を明らかにし」、「正義を追求する」と誓った。 「火災の原因と、なぜこれほど急速に燃え広がったのかを調査するため、裁判官が率いる独立委員会を設置する」と李氏は述べ、「組織的な改革」を約束した。 香港では過去数十年で最悪の火災となった大埔区の集合住宅「宏福苑」の火災の死者は、2日時点で151人に上り、少なくとも30人が依然として行方不明となっている。改修工事中だったこの住宅団地には4000人以上が住んでおり、その多くは高齢者だった。 逮捕者のほとんどは建設工事に関係するコンサルタント、請負業者、下請け業者で、当局によると、このうち13人が「重過失致死」の疑いで捜査を受けている。 現場では犠牲者の遺体の捜索が懸命に続けられており、専門家が各アパートを綿密に捜索している。 当局は1日、複合施設の竹製足場を包んでいた低品質のメッシュのネットが火災の急速な延焼につながったと発表した。このネットは防火基準を満たしていなかった。 香港治安局のクリス・タン局長は、火災後に複合施設から採取された20個のサンプルのうち7個が防火試験に不合格だったと述べた。 逮捕者のうち12人に対しては現在汚職捜査が行われている。 香港の反汚職当局によると、7月の台風で建物を包むネットが破損した際、逮捕者らのグループは基準を満たしていないネットを購入して交換した。複合施設の8棟すべてを包むのに十分な量のネットを購入し、破損箇所に取り付けたという。 10月に香港の別の高層ビルで火災が発生した後、ネットが検査されることを恐れたグループは防火基準を満たしたネットを追加で購入。建物の1階部分にのみ巻き付けていたとされる。 陳国基(エリック・チャン)政務長官は「容疑者たちは非常に狡猾(こうかつ)だ」「わずかな利益のために、多くの人々の命を奪っている」と非難した。 建設業者が複合施設の窓を塞ぐために使用した発泡スチロール板も、火災の急速な拡大の一因となったことが判明した。当局は、市内の他の建設現場3カ所でも同様の手法が使用されていたことを確認し、スチロール板の撤去を求めた。