三重・松阪港でテロ対策訓練 陸上と海上、合同で 不審者や爆発物想定

三重県警松阪署や松阪地区広域消防組合、港湾事業者など14機関でつくる松阪港保安委員会(委員長=矢野英樹・松阪建設事務所所長)は8日午後1時半から、三重県松阪市大口町の松阪港で、テロリスト対策合同訓練を実施。関係機関から約80人が参加し、迅速かつ的確な連携強化と対処能力の向上を図った。 同委員会は、国際港湾での各機関が連携した保安向上と入出管理の強化を目的に2010(平成22)年に設置された。訓練は関係機関の連携強化などを目的に例年この時期に行われており、今回で9回目。 今回は、大規模行事を前に国内の各港湾で水際の警戒強化中に、松阪港を徘徊(はいかい)していた不審者が、声を掛けた荷役作業員を刃物で襲撃し、外国貨物船に潜伏。さらに内閣官房から「テロ組織が松阪港に入港中の外国貨物船を使って爆発物を持ち込もうとしている」との情報が入ったことを想定し、陸上と海上で三つの訓練を実施した。 陸上では、警察による逃走したテロリストの確保や、消防による負傷者の搬送の他、税関のX線車による透視で発見した爆発物を、機動隊が特殊な車両を使って搬送する訓練が行われた。 海上ではテロリストが乗船した不審船が、海保と税関、警察の各船からの呼び掛けに抵抗して発砲したことに対し、威嚇射撃を行うなどして制圧する逮捕劇が繰り広げられた。 訓練後の講評で、松阪港危機管理担当官を務める松阪署の西條一人署長が、国内外のテロ情勢が厳しさを増す中、国内ではローン・オフェンダー(組織に属さない個人による単独テロ行為)などが新たな脅威になっていると前置きし、「未然防止が最も大切。今回の訓練などを通じて平素から関係機関が連携しながらテロ対策、水際対策の推進と対処能力の向上を図っていただき、未然防止という共通の目的のためにより一層の推進をお願いします」と話した。

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