東京都文京区の「マッサージ店」で働いていたタイ国籍の当時12歳の少女が人身取引の被害者として保護された事件をめぐり、日本やタイの関係機関が少女の早期帰国に向けた調整に入ったことが、関係者への取材でわかった。少女は「(タイの)学校に通いたい」と話しており、関係機関は安全な帰国に向けて具体的な支援方針を協議してきた。 少女は母親とともに6月に来日したが、その後、一人取り残されていた。店側が借りた部屋で寝泊まりしながら働かされ、わずかな食事代などを与えられていたという。入国から約3カ月後の9月に東京出入国在留管理局を訪れ「タイに帰りたい」と訴えて保護された。店の経営者は少女を働かせるなどして警視庁に逮捕などされた。 一方、少女の母親は台湾の入管当局の施設に収容されており、台湾当局がタイに移送する方針。日本の警視庁とタイ警察がいずれも逮捕状を取得し、双方で今後の捜査方針について協議を進めていた。