【山形】新幹線運休、コメ価格高騰、そして人口減 県民生活を揺るがした2025年の主要ニュース

2025年も様々な出来事があった山形県。私たちの生活に影響を与えた話題を中心に1年を振り返ります。 山形新幹線「E8系」でトラブル相次ぐ 3月にデビューした山形新幹線の新型車両「E8系」で故障が相次ぎ、運休などが発生。多くの人がみどりの窓口に詰めかけました。利用客からは「急に運休になると困る。何としてもきょうは東京に帰ります」との声も聞かれました。 JR東日本は、車両に電力を供給する補助電源装置の故障が原因と発表。約1ヶ月半にわたり「E8系」の単独運転を取りやめました。観光面への打撃も深刻で、県は去年の同じ時期と比べて4億円ほどの損失があったと試算しています。 県の人口、105年ぶりに100万人割れ 5月、県の人口が100万人を割り、99万9378人となりました。100万人を下回るのは1920年以来105年ぶりです。首都圏への転出や少子化が要因とみられています。 吉村知事は「100万人割れということを事実として重く受け止めなければならない」と述べました。街からは「若い人が住みたい街じゃない気がする」「働く場所が無いのが厳しい」といった声も聞かれます。2050年には推計で約71万人になると見込まれており、人口減少への対策が喫緊の課題です。 未成年者誘拐、自殺ほう助事件 5月、未成年の少女が誘拐され、その後遺体で見つかる事件が発生。逮捕された福島市の男は、自殺を手助けした罪で起訴されました。男は山形・福島両県で男女5人の自殺に関与したとされています。今月開かれた初公判で起訴内容をおおむね認めた一方、山形での自殺ほう助については黙秘しました。 山形鉄道に試練と希望 フラワー長井線を運営する山形鉄道は3月、山形銀行をかたったフィッシング詐欺により、約1億円の不正送金被害に遭いました。また4月には、複数の運転士の退職に伴い、運行本数を減らすと発表しました。 そんな中、フラワー長井線の運転士を目指す2人が長井市の地域おこし協力隊として採用されるという明るい話題もありました。 大阪万博で山形の魅力を発信 国内で2005年以来20年ぶりとなる万博が大阪で開幕。ペルーパビリオンでは、山形大学などが近年新たに発見した「ナスカの地上絵」が公開されました。また、会場のステージでは、復興支援への感謝を伝えるため「山形花笠まつり」をはじめとする東北各県の祭りが披露されました。 「令和の米騒動」と新品種への期待 6月、コメを求めてスーパーの開店前に長蛇の列ができる光景が見られました。中には「販売開始が8時なので、約17時間並んでいる」という客も。「令和の米騒動」とも呼ばれる中、政府はコメ不足による価格高騰などを受け備蓄米を放出しました。しかし、価格の高騰はいまだ収まらず、家計を圧迫し続けています。 農家からは「あまりに高すぎて米離れが起きなければいいなと心配している」と懸念の声も上がっています。一方、2年後のデビューを目指す高温に強い新品種「山形142号」の名称が「ゆきまんてん」に決まるなど、県は気候変動に対応したコメ作りを進めています。 果樹栽培150年、サクランボは記録的不作に 県内でサクランボなどの果樹栽培が始まってから150年を迎え、各地で様々な催しが開かれました。しかし、記念すべき年にサクランボは2年連続の記録的な不作に見舞われました。ことしの収穫量は8310トンと、平成以降で最低だった1994年の8570トンを下回る結果となりました。吉村知事は「日本一のサクランボ産地であり続けられるよう全力で取り組んでいきたい」と述べています。 山形市、ラーメン消費額で3年連続日本一 「ラーメンの聖地」山形市がその強さを見せつけました。総務省の家計調査で、去年1年間の1世帯当たりのラーメン消費額が、初の2万円超えとなる「2万2389円」で3年連続の日本一に輝きました。市民からは「何かあるとラーメンを食べようってなるので、それが3連覇に繋がったのかな」との声が聞かれました。 戸沢村蔵岡地区、防災集団移転へ前進 去年7月の大雨で集落全体が浸水した戸沢村蔵岡地区で、防災集団移転の検討が進められています。名高地区が新たな移転候補先として示され、きのう公開された住民アンケートの結果では、地区の全世帯が集団移転に同意。そのうち約7割が名高地区への移転を希望したことが分かりました。 蔵岡地区の山崎昇会長は「事業要件をクリアし安堵している。事業が成功するよう気持ちを新たにしている」と語りました。

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