米国、マドゥロ大統領逮捕とともに石油再建発表…「当面の影響はわずか」

米国によるベネズエラのマドゥロ大統領逮捕は中南米情勢を超え世界の石油市場にも重大な変数だ。世界最大の原油埋蔵国であるベネズエラを米国の統制下に置くというトランプ大統領の狙いがある。ただ原油価格にすぐ大きな影響を及ぼしたりはしないだろうという見方が優勢だ。 トランプ大統領は3日、「世界最大規模である米国の巨大石油会社が数十億ドルを投資し、深刻に崩壊した石油基盤施設を修理してその国(ベネズエラ)のために金を稼ぎ始めるだろう。石油をはるかに大きな規模で売ることになるだろう」と明らかにした。 フィナンシャル・タイムズは「マドゥロ大統領逮捕から数時間で米国大統領が石油が動機だったことを露骨に示唆した点から、今回の措置はさらに大胆で衝撃的な行動と受け止められている」と指摘した。トランプ大統領は就任当初から原油安を通じて物価を安定させ米国製造業の競争力を高めようとする政策を展開してきた。このため市場では米国のマドゥロ追放が長期的にはベネズエラ産原油を世界供給網に再び編入させ原油価格急騰を抑制しようとするエネルギー戦略の延長線という解釈が出ている。 ベネズエラは原油埋蔵量が2024年基準で3032億バレル、世界埋蔵量の17%を占める。埋蔵量ではサウジアラビアを上回り世界1位だ。しかし最近では1日生産量が100万バレルにも満たず、世界供給量の1%にすぎないほどだ。1999年のチャベス政権発足後に石油産業の全面国有化と外国資産没収に出た影響だ。最近では不良経営と経済制裁まで重なった。現在ベネズエラの主要原油輸出相手国は中国で、割合は80%に達する。 今回の事態で国際原油価格は上昇するだろうが、小幅にとどまるだろうという見方が出ている。ロイターは消息筋の話として、ベネズエラ国営石油会社PDVSAの核心生産精製施設は大きな被害を受けなかったと伝えた。エネルギーコンサルティング企業バンダインサイツのバンダナ・ハリ最高経営責任者(CEO)は「石油市場に及ぼす即時的影響はわずかだが、ベネズエラのリスクプレミアムが若干上昇する程度にとどまるだろう」と評価した。 国際原油価格は供給量増加などを理由に昨年だけで約20%下落した。マドゥロ大統領逮捕前の2日、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は1バレル=57.3ドル、ブレント原油は60.8ドルで取引を終えた。2022年のロシアのウクライナ侵攻後にブレント原油価格が120ドルを超えたのと比較すると半分水準だ。今年も供給過剰が原油価格を引き下げるだろうという見通しが出ている。 このためベネズエラをめぐる変数にも国際原油価格がむしろ下落するという診断もある。ウォール・ストリート・ジャーナルは「最近のベネズエラ産原油供給減少が原油価格を支えてきた。マドゥロ大統領逮捕後に原油輸出が正常化する場合、原油価格は主要支持要因のひとつを失いかねない」と分析した。 トランプ大統領が公言したのと違い、ベネズエラの原油生産が正常軌道に乗るまでには険しい旅程が予想される。ブルームバーグは「こうした再建はとても野心に満ちた計画であり、実現の可能性は希薄に見える」と評価した。エネルギーコンサルティング会社リスタードは生産量を1日200万バレル水準に戻すには1000億ドル以上が必要と試算した。サードブリッジのアナリスト、ピーター・マクナリー氏は「西側の巨大石油企業が投資を始めても過去の栄光を取り戻すまでには最小10年かかるだろう」と予想した。

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