収賄容疑で教授が逮捕されるなど、不祥事が相次いだことを受け、28日、東京大学の藤井輝夫総長が謝罪し、原因・対策などを説明した。 会見冒頭、藤井総長は「2026年1月24日、本学大学院医学系研究科元教授の佐藤伸一氏が収賄の容疑で逮捕されました。また、1月26日に同医学系研究科元特任准教授の吉崎歩氏が収賄の容疑で送検されました。本件につきましては、日頃よりご支援をいただいております多くの関係者の皆様に多大なるご迷惑・ご心配をおかけすることになり、また、教育研究機関として社会の信頼を著しく損ねることになり、深く心よりお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした」と頭を下げた。 外部の弁護士に依頼した調査チームの調査では、佐藤教授(当時)は、共同研究相手の日本化粧品協会の代表から、高級飲食店、高級クラブ、性風俗店などで少なくとも31件以上の接待を受け、性風俗店は少なくとも6回にのぼるという。 処分については、佐藤氏は懲戒解雇、吉崎氏は雇用関係が終了した特任教員であったため懲戒などの処分を行わなかったと明かした。 藤井総長は「行為を未然に防げなかった点、さらには、佐藤氏がこのような不適切な行為を行っていたことに早期に気づけなかったという点では、本学全体のガバナンスに問題があったと認識している」と話し、改善策として「4月からは、現場・管理部門・そして独立した監査部門による、いわゆる三線防御の考え方を導入した体制を整備します。これにより、教職員の意識変革や組織文化の刷新を含め、抜本的な改革を実行いたします。本件において、大学の対応が遅いと批判された一つの原因は、総長や役員が全学的なリスクとなり得る事案を早い段階で共有し、迅速に対応できる仕組みが十分ではなかったためと考えられます。そのため、4月には、全学のリスクを集約し、顕在化したリスク対応の司令塔となる最高リスク責任者(CRO)を配置します」と説明した。 一方、東京大学が抱える問題点については「教職員の倫理意識が希薄であったこと」「社会連携講座等の民間資金を受け入れて行う諸活動の運営状況のチェックが十分に機能していなかったこと」「医学部及び医学部附属病院における本件の発生を未然に防げず、周囲もそれに気づかないという組織風土」を挙げた。 この「医学部及び附属病院の組織風土」について、記者から詳しい説明を求められた藤井総長 は「東京大学の特に理科系ですが、研究室という単位で研究を行っております。この研究室の単位が非常にそういう意味では、その研究室にもよりますが、非常に閉鎖性が高くなってしまうということは以前から指摘をされてきたところであります。これによって、これは過去のことですけども、例えば研究不正が起こるといったことがございます。今回、こういった件が起きたことを受けまして、改めて医学部、そして附属病院の組織体制を見てみますと、やはり診療科間、そして研究室、そういった単位でなかなか横方向の情報共有ができていないということが分かってきました」と話した。 さらに記者から、第1号として東北大学、第2号は東京科学大学が選ばれた国際卓越大学への申請について聞かれた藤井総長は「国際卓越研究大学の制度においては、3つのことが要件として掲げられています。1つは研究の卓越性、それから2つ目は財務的な基盤、3つ目がガバナンスです。今回、私どもが提案した構想の実効性を担保するために学内での資源配分の基準とか、そういったものをもっと具体化するようにというご指摘をいただいていること、それから、こういったリスク・不祥事に対する全学的なガバナンス体制の構築をご指摘をいただいてるところです。ですが、私どもとしては、やはり大学の教育と研究の基盤となるしっかりとしたガバナンス体制、これは、この国際卓越研究大学にかかわらず、今回のことを受けてしっかりと再構築をしなくてはいけないと考えており、今急ピッチで改革を進めているところでございます」と答えた。 (ABEMA NEWS)