英警察、下院議長に謝罪 マンデルソン卿について情報提供したと報道され

ポール・セッドン 政治記者 ロンドン警視庁は25日、ピーター・マンデルソン前駐米大使の逮捕をめぐり、リンジー・ホイル下院議長から関連情報を得ていたことを「うっかり明らかにした」ことについて、議長に謝罪した。警察の謝罪に先立ち、ホイル議長は報道を受けて、情報を提供したと下院で認めていた。 ホイル議長は同日の下院本会議で、公務中の不正行為の疑いで逮捕されたマンデルソン卿が逃亡する恐れがあるとうかがわせる情報を、警察に伝えたことを認めた。 これに先立ちマンデルソン卿の弁護団は、警察による身柄拘束は不当だったと苦情を申し立てている。弁護団は、マンデルソン卿は逮捕前から、任意で3月に事情聴取に応じると合意していたにもかかわらず、「国外に定住する予定」だという「根拠のない」話をもとに、警察が逮捕に踏み切ったのだと批判している。 BBCの取材で、マンデルソン卿の弁護士は、卿の旅行計画に関する情報が上院議長のフォーサイス卿から伝えられたと、警察から2度にわたり伝えられていたことが分かっている。 フォーサイス卿は24日夜、報道で自分が警察に情報を伝えたと言われたのを受け、「完全に事実と異なる、根拠のない」話だとして、関与を否定した。 英紙タイムズは25日、その情報を提供したのは実際には下院議長のサー・リンジー・ホイルだと伝えた。これを受けてホイル議長は議員に対し、自身が警察に「関連する」情報を提供していたことを認める声明を出した。 議長は、自分は「誠意をもって」そうしたのだと述べ、それが自分の「義務と責任」だと考えたと説明した。そのうえで議長は、「捜査が進行中の事案だけに、このことがあっという間にマスコミに報道されてしまったのは、遺憾だ」と述べた。 議長はさらに、「これ以上のコメントは不適切」だとして、他の議員たちにも同様にコメントを控えるよう呼びかけた。 議長は詳細を明らかにしていないが、ホイル議長は英領ヴァージン諸島を先週訪れた際に、マンデルソン卿が同じヴァージン諸島を訪れる予定だという情報を得たため、それを警察に伝えたという内容を、BBCは把握している。 ロンドン警視庁の捜査幹部は25日にホイル議長と面会し、状況を説明した。捜査情報の提供者の身元が報道されてしまった事態は、ロンドン警視庁にとって重大な規則違反にあたる。 警察報道官は、「ロンドン警視庁は、公務中の不正行為容疑を捜査中に、情報を不注意に明らかにしてしまったことについて、本日午後、下院議長に謝罪した」と述べた。 BBCの取材によると、上院議長はまだロンドン警視庁からの謝罪を受けていない。上院関係者によると、フォーサイス卿は26日にも、ロンドン警視庁と緊急で会合する予定で、自分の名前がどのようにして報道で言及されることになったのか、警察から説明を受けることになるという。 上院の消息筋によるとフォーサイス卿は、自分に関する誤った情報がメディアで広く報じられたにもかかわらず、なぜ連絡がなかったのか、またなぜ警察が情報を否定しなかったのか、知りたいのだという。 マンデルソン卿の弁護士ミシュコン・デ・レイヤ氏は、逮捕の決定がどのような情報と証拠に基づくものだったのか、説明を求めてロンドン警視庁に書簡を送った。 警察は、マンデルソン卿を23日午後に逮捕すると決める前に、ホイル議長から伝えられた情報の信頼性について独自に精査していたものとされる。 マンデルソン卿はトニー・ブレア元首相とブラウン元首相の労働党内閣で複数の閣僚ポストを務めた。2008年に叙勲されて一代貴族の「マンデルソン卿」となり、上院議員となった。 2024年12月にキア・スターマー政権の駐米大使に任命されたが、未成年女性への性的虐待で有罪とされた資産家ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)との関係の詳細が判明したため、昨年9月に解任された。今月1日には、40年にわたり重要な役割を担ってきた労働党から離党した。 23日にロンドン北西部キャムデンにある自宅で逮捕され、市内のワンズワース警察署に連行された後、翌日未明に保釈された。捜査は継続中。報道によると、保釈条件の一つとしてパスポートを提出したとされる。 警視庁は今月初め、マンデルソン卿が閣僚だった当時、市場に影響を与える政府情報をエプスティーン元被告へ渡したという疑惑について、捜査に着手していた。 BBCの取材から、前駐米大使は自分がどのような犯罪行為にも関与しておらず、金銭的利益を目当てに行動したこともないという姿勢だと明らかになっている。 マンデルソン卿による不正行為の疑いは、米司法省が1月末に追加公開した大量の資料の中に、元被告との電子メールなどが含まれていたことから発覚した。 マンデルソン卿がブラウン政権のビジネス相だった2009年当時のメールでは、「資産売却計画」を含む政策に関する首相顧問による評価内容を、元被告へ伝達していたように見える。 マンデルソン卿はまた、銀行幹部へのボーナスに対する課税措置を話題にしたほか、2010年にユーロ防衛措置が発表される当日、発表の直前に措置の実施を認めている様子だった。 イギリスでは公務中の不正行為の疑いで19日に、王室のアンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー元王子が逮捕されたばかり。元王子は釈放されたが、捜査は続いている。 (英語記事 Met apologises to Commons Speaker for sharing Mandelson tip-off)

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