【地下鉄サリン事件から31年】未解決の麻原彰晃の遺骨問題「次女に年内返還される可能性」を弁護士が指摘

14人が死亡、6000人以上が重軽傷を負ったオウム真理教による地下鉄サリン事件。事件発生から31年めを迎えた2026年3月20日には、多数の死傷者が出た東京メトロ霞ケ関駅に献花台が設けられ、同駅助役だった夫を亡くした高橋シズヱ(79)さんらが花を手向けた。 現在、オウム真理教は解散したが、後継団体として、主流派の「Aleph(アレフ)」のほか、信者らが対立してできた「ひかりの輪」「山田らの集団」の3団体が存在している。いずれも団体規制法に基づく観察処分の対象とされ、公安調査庁が施設への立ち入り検査などをおこなっている。 なかでも注目されるのは「アレフ」の動きだ。 「アレフは、オウム真理教の教祖・麻原彰晃の次男が、新たに宗教指導者を意味する『グル』を自称しているようだ。まさに麻原彰晃の後継者になり影響力を強めている。複数のメディアが次男の肉声をキャッチして報じてもいた」(報道関係者) 一方で、現在も宙に浮いたままの状態になっているのが、麻原彰晃の遺骨だ。遺骨は、いまだ東京拘置所で保管されたままになっている。 「1995年5月に逮捕された麻原彰晃(本名:松本智津夫)は、地下鉄サリン事件や、坂本弁護士一家殺害事件などの首謀者として起訴され、死刑が確定。2018年7月に死刑が執行された。 妻のほかに2男4女の子供がいたが、死刑執行前には自身の遺骨を4女に渡すように伝えていた。4女はほかの兄弟や教団とも距離を取っていたためだとみられている。死刑執行後、4女は滝本太郎弁護士をともなって麻原彰晃の遺体を確認。さらには、海に散骨することも予定していた」(同) ところが、それに待ったをかけたのは麻原彰晃の次女だった。次女は死刑が確定したあとも面会を重ねていたことを主張し、自分が遺骨を引き取るべきだと東京家裁に申し立てをおこなったのだ。その後、東京家裁は遺骨の引き渡し先として次女が相当だと認定した(4女らは家裁の認定を不服として特別抗告をしたが棄却されている)。 ただ、これで終わりではなかった。今度は国が麻原彰晃の遺骨と遺髪を次女に渡すのを拒んだのだ。 「麻原彰晃の遺骨と遺髪が次女に渡れば、オウムの後継団体に渡り、教祖が戻ってきたとして神格化され、重大な犯罪が生じる可能性が高まるとの理由で引き渡しに応じなかった。そのため、次女は2022年10月に国を相手取って提訴した」(同) 2026年2月、東京高裁は一審に続き、次女に引き渡しを命じる判決を下している。国はその判決を不服として最高裁に上告した。年内にも最高裁の判決が出される可能性が高いとみられている。 はたして麻原彰晃の遺骨はどうなるのか。旧統一教会など、カルト教問題に詳しい紀藤正樹弁護士は次のように話す。 「国の主張は、遺骨を次女に渡した場合、オウム真理教の後継団体や信者に渡り、団体の活動を活発化させる恐れがあるので渡さないというものです。しかし、現行法では『遺骨を渡さない』という法律はありません。遺骨管理に関する新たな法律を作るというのが本来ですが、『遺骨を次女に渡すことが公共性に反し、権利行使が濫用にあたる場合は渡さなくてもよい』と、最高裁が判断することも考えられなくはないことから、国は上告したと思われます。 次女は、故人を悼む目的で引き渡しを求めていて、絶対に後継団体に渡さないと主張しています。ただ、仮に後継団体に渡したとしても、遺骨の扱いについての法律が整備されておらず、規制もできないのが現状です」 事件から31年。オウム事件は終わっていない──。

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