「正義感強い」自慢の息子…母親には見せなかった“残忍な顔”女性刺殺後も「ただいま」と言って自宅に帰ってきた【岩沼市保育士殺害事件の傍聴記(1)】

2025年4月、宮城県岩沼市の海岸で保育士の女性(当時35)が刺殺され遺棄された事件。仙台地方裁判所で3月4日から裁判員裁判の初公判が始まり、17日に判決が言い渡された。 事件を未然に防ぐことはできなかったのか。裁判の傍聴を通して考える。 <全5回> ■殺人などの罪に問われた元キックボクサーの被告 殺人や死体遺棄などの罪に問われている宮城県岩沼市の佐藤蓮真被告(22)。キックボクサーの選手として活動し、試合にも出場していた。 佐藤被告は2025年4月12日夜、宮城県岩沼市の海岸で、保育士の知人女性(当時35)の胸などをナイフで複数回刺して殺害し、遺体を波消しブロックまで引きずり遺棄するなどした罪に問われている。 2026年3月4日から始まる初公判を前に、私たちは仙台拘置支所で佐藤被告と面会した。佐藤被告は上下ジャージ姿で現れた。 ■目の前にあらわれた大人しそうな青年 佐藤被告: 「結果が全て、申し訳ない気持ちです。誠心誠意謝罪してありのままの真実を話します」 か細い声で答える佐藤被告にキックボクサーの面影はなかった。逮捕後は「金銭トラブル」も報じられていたが佐藤被告は動機について「金ではない」と否定した。 「きっかけは金ではない。プロキックボクサーとしての活動に覚悟を持っていたが、その活動をやめるようゆすられた」と語った。 「誠心誠意謝罪する」と話す一方、「ゆすられた」と語った佐藤被告。この言動にわずかな違和感を抱いた。だが、やがてこの違和感は、ある種の納得感へと変わっていく。裁判を通して被告が持つ「二面性」が明らかにされていったからだ。 ■冒頭陳述で明らかにされた殺害動機 3月4日の初公判。仙台地方裁判所には、およそ80席の傍聴席を求め130人以上が並んだ。法廷に入ってきた佐藤被告は、上下黒のスーツ姿でマスクを付けていた。 佐藤被告は、殺人、死体遺棄、銃刀法違反、さらに殺害後に女性の財布などを盗んだ窃盗の、合わせて4つの罪に問われている。起訴内容について佐藤被告は、殺人、死体遺棄、銃刀法違反について認める一方、窃盗の罪は否認した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする