教諭だった40歳女性が保護者から14年前に受けた性暴力の影響。結婚し、母になって夫との間に生じているもの

毎日新聞が過去のセクハラを追及したことを評価する。 若い世代は、年長の世代の逃げ切りは許せないですよ。 時代が違うとか、あなた方には言わせない! Xにこういうポストがされたのは、2026年4月。4月3日に、毎日新聞社は男性の元役員が同社勤務の女性に、キスするなどのセクハラ行為をしていたことを公表。それらの報道に対してつけられたコメントだ。同社のHPに掲載された発表によると、セクハラは約10年前、懇親会後の帰路のタクシー内で行われたという。以下のように書かれている。 “当時、女性の上司らが被害の相談を受けていたものの、女性がハラスメントを相談窓口 に訴えるつもりはないと認識していたため、相談内容が人事部門などに共有されなかったなど、 会社として組織的な対応ができず、女性に寄り添った対応が不十分であったことを確認いたしました。なお、当該女性は相談窓口の案内を受けなかったという認識でいます。 当社として、女性に対し、深くお詫び申し上げます。” この事例を多くのメディアが報じたが、メディアのみならず、どの企業も「自社はどうだろうか」と振り返る必要もあるだろう。この報道により毎日新聞社を非難する声も多くポストされたが、むしろ非難ばかりしていたら「非難されるから隠ぺいしよう」という方向にもなりかねない。刑事や民事の案件ではないにせよ公表したことは、メディアとしてハラスメントを許さないという姿勢を示したといえるのではないか。 また、この報道で「時効」という言葉もSNSで多く出ていた。ハラスメントの時効は3年や5年と言われている。厚生労働省が2024年1月に開催した「令和5年度 関東地区労使関係セミナー(第2回)」で成蹊大学法学部教授・中央労働委員会地方調整委員・原昌登氏による「ハラスメントと時効の問題について」というレポートに詳しい。それを見ると、権利を主張し、争うことが可能といえる状態になっている「主観的視点」と、被害者側が賠償請求できると知らず、結果として 賠償請求が行われないままという「客観的視点」や、内容によっても異なるが、最長20年だという。 それは、ハラスメントが与える心の傷がより明らかになってきたということも理由のひとつではないだろうか。 キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは、メンタル心理アドバイザー、夫婦カウンセラーの資格を持つ。「セクハラは心に大きな傷を残します。被害者の中には、自分が自分ではないような感覚に陥り、感情が乏しくなる場合も。また、現実感が希薄になり『ぼーっとしている』と思われることもあるのです。他にも多くの弊害が表出し、人間関係に影を落とすことがあります」という。 学生時代は警察官を希望していたが、当時は身長制限があり、受験資格はなかった。一般企業に勤務するが、目の前の人を助けたいという思いは強く、探偵の修行に入る。探偵は調査に入る前に、依頼者が抱えている困難やその背景を詳しく聞く。山村さんは相談から調査後に至るまで、依頼人が安心して生活し、救われるようにサポートをしている。 これまで「探偵が見た家族の肖像」に続く山村さんの連載「探偵はカウンセラー」は、山村さんが心のケアをどのようにして行ったのかも含め、様々な事例から、多くの人が抱える困難や悩みをあぶりだしていく。個人が特定されないように配慮しながら、家族、そして個人の心のあり方が、多くの人のヒントとなる事例を紹介していく。 今回山村さんのところに相談に来たのは、65歳の会社経営者・寛治さん(仮名)だ。「娘の夫のことを調べてほしい」と連絡をしてきた。聞くと、娘は14年前に受けたセクハラがまだ大きな傷となっていて、それも夫との関係に影響しているというのだ。 山村佳子(やまむら・よしこ)私立探偵、夫婦カウンセラー。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリング経験を持つ探偵として注目を集める。テレビやWeb連載など様々なメディアで活躍している。

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