日本テレビの番組で著作権を持つ音楽を使ったと虚偽の報告をし、日本音楽著作権協会(JASRAC)から楽曲使用料をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は22日、元音響会社代表の井上研一容疑者(59)=千葉市美浜区=を詐欺容疑で逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。警視庁は、井上容疑者が架空請求により2019~20年に計約3400万円を得ていたとみている。 井上容疑者は当時、複数の音響会社で役員を務め、業務としてテレビ番組の音響効果を扱っていた。また、自社が保有する楽曲の著作権管理をJASRACに委託していた。捜査関係者によると、井上容疑者は、こうした楽曲をテレビ番組で使ったとする架空の報告を制作会社に上げることで、JASRACに使用料を請求していたとみられる。 逮捕容疑は19年3〜5月、日テレが制作した4番組を担当したように装い、自身が代表を務める2社(既に倒産)が著作権を持つ楽曲を使ったと日テレ側に虚偽報告。これを基に、JASRACから楽曲使用料627万円をだまし取ったとしている。 口実に使った番組は「人生が変わる1分間の深イイ話」「誰だって波瀾爆笑」「今夜くらべてみました」「シューイチ」だった。しかし、井上容疑者の会社はどの番組の音響業務も担当していなかったという。 JASRACは井上容疑者側に損害賠償を求める訴訟を起こしており、東京地裁は25年7月、容疑者本人や経営する会社など6者に計約5億7000万円の支払いを命じた。井上容疑者は控訴しなかった。訴訟資料によると、井上容疑者らは「ヒルナンデス!」など実際に請け負っていた番組もあったが、そこでの楽曲使用実績も、大半が水増し申請されていたという。【長屋美乃里】