逮捕の八代市議は元力士 どう喝された市幹部「指示は絶対」

あっせん収賄容疑で逮捕された熊本県八代市議の成松由紀夫容疑者(54)は当選6回を誇る「市議会のドン」として知られ、過去に市議会議長なども歴任。市幹部が重要案件を自民党市議団幹部に事前説明する「裏レク」の場で影響力を保持し、一目置かれる存在だった。 関係者によると、裏レクは各部長らが市議会に諮るような案件を自民市議団長や副団長に事前に根回しする場。2013年9月投開票の市長選で初当選し3期務めた中村博生・前市長の指示で始まり、市議会の審議などを進めやすくする狙いがあったとみられる。 ただ、裏レクは自民党市議団による事実上の「決裁」の場だった。団長らの了解を得られないと、各部長らは市長に決裁を上げられない。05年9月投開票の市議選で初当選し、現在6期目の成松容疑者は自民党市議団の団長や副団長を歴任。汚職事件の舞台となった新庁舎建設工事が19年に発注された際も、副団長として公告前に市側の事前説明を受けていた。 日大相撲部出身で元幕下力士の経験もあった成松容疑者。市の元幹部は「過去にどう喝されたこともあった。成松容疑者からの指示は断ることができなかった」と明かす。 新庁舎建設を巡っては、前田建設工業を中心とする共同企業体(JV)が選ばれた経緯などを検証するため、地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委員会)が設置されたが、成松容疑者の威圧的な態度が目立った。26年4月14日の証人喚問で市職員が成松容疑者の関与を証言すると、翌15日に自ら記者会見を開き「でっち上げだ」と反論。成松容疑者ら自民党市議団は、職員の証言は偽証罪に抵触するとして熊本県警に告発する方針をホームページで明らかにした。 ある市職員は「自分も証言したら何かされるのではないかと心配。職員が正直に話せなくなる」と不安を吐露した。【金将来】

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