ボリビアでデモ隊と警察が衝突 大統領が取締り強化法案に署名

コチャバンバ、ボリビア、6月9日 (AP) ー 南米ボリビアで8日、保守派のパス大統領の辞任を求める抗議デモ隊が、警察に向けて爆竹や石、棒を投げつけた。警察は催涙ガスで応戦し、数十人が逮捕される事態となった。現在も続く道路封鎖により、この南米中央部に位置するボリビアは機能不全に陥っている。 中央部の都市コチャバンバで衝突が再燃したきっかけは、パス大統領が、過去5週間にわたりボリビアを揺るがしてきた抗議デモに対する、政府の強硬な取り締まりを可能にする法案に署名したことだ。このデモにより、国内の物流は寸断され、食料や燃料、医療物資の不足が深刻化している。 ボリビアの全国労働組合、小作農、そして高地出身の先住民族グループは、パス大統領による燃料補助金の廃止に激怒している。また、就任後の7カ月間で根深い経済問題を解決できなかったことへの不満も募らせており、全国の主要ルートに90カ所のロードブロックを設置した。これにより、政府機関が置かれているラパスや、隣接するエル・アルトといった主要都市は事実上孤立。インフレの進行と低賃金に苦しむ多くのデモ参加者は、「自分たちの票で大統領に当選させたにもかかわらず、見捨てられた」とパス大統領を非難している。 独立系の中立な人権擁護機関が週末に発表した報告書によると、5月1日から6月2日までの混乱で、これまでに10人が死亡、37人が負傷、365人が逮捕された。政府側は、死亡したうちの7人は医療措置を受けられなかったことが原因だと主張しているが、すべての事案について現在調査が進められている。 パス大統領はデモ隊との交渉を試み、警察力の行使には抑制的であるよう求めてきた。しかし、デモ隊側は大統領との対話を拒否し続けており、就任からわずか7カ月しかたっていない大統領の辞任のみを要求している。昨年のパス大統領の当選により、カリスマ的なエボ・モラレス元大統領が結党した「社会主義運動」による20年近くにわたるボリビアの継続的な統治は幕を閉じていた。 こうした中、パス大統領に対して、混乱を収束させるためのより強硬な対応を求める圧力が強まっている。大統領は8日、国家非常事態宣言の発令要件を緩和する法案に署名した。これにより、軍に秩序回復や道路封鎖の解除を行う権限が与えられることになる。 パス大統領は国民向けの演説で、「この法律は、抗議デモを扇動している麻薬テロリズムから国民の大多数を守るためのものだ」と述べた上で、「正当な要求を持つ社会組織には手を差し伸べ、対話を行う用意があることを改めて表明する」と語った。 大統領の演説後、燃料不足への緊張が高まっていたエル・アルトでは、群衆が公共交通機関の労働組合の事務所に乱入し、警察によると少なくとも28人が逮捕された。また、衝突の舞台となった中央都市コチャバンバでは、抗議する農民らが地域と国内西部を結ぶ橋を封鎖しようと試みた。警察は石やダイナマイトを投げつけるデモ隊を解散させるために催涙ガスを噴射し、23人を拘束した。 (日本語翻訳・編集 アフロ)

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