大阪市内の自宅で元夫を包丁で刺殺した罪に問われている女の裁判員裁判で、大阪地裁は16日、懲役5年の実刑判決を言い渡しました。 自称・フィリピン国籍のパメラ・アール・オカダ被告(66)は、2024年5月、大阪市港区の自宅で、同居していた元夫の岡田勝さん(当時76)の胸を包丁で刺して殺害した罪に問われています。 パメラ被告は逮捕された際、警察の調べに対し「『死ね』と言って夫を1回刺した」と容疑を認めていて、動機については「『ごはんはまだか』と言われ腹が立った」などと説明していました。 一方で、これまでの裁判でパメラ被告は、包丁で刺した状況について「覚えていない」と説明。弁護側は「事件当時の被告は、飲酒して酩酊状態で、心神耗弱状態だった」として刑事責任能力について争うとしていて、「被害者からの暴行に対する防衛行為」として過剰防衛の成否についても争う姿勢を示していました。 これに対し、検察側は、パメラ被告は「調理中でもなかったのに、2階の台所から3階の被害者の寝室まで、最も殺傷能力の高い包丁を持って行った」と指摘。また、犯行後に自ら119通報し、当時の状況を正しく伝えていたことから「犯行前後に周囲の状況を理解して適切な行動をしていた。責任能力が著しく減退していたとはいえない」として、懲役12年を求刑していました。 大阪地裁は16日の裁判で、「ベッドの上で無防備に横になっていたとみられる被害者を刺した」と指摘し過剰防衛は成立しないとしたうえで、刑事責任能力については、「飲酒酩酊の影響で、責任能力が相当程度減退していたものの、著しく減退していたとは言えない」とし、心身耗弱には至っていなかったと判断しました。 一方で、「30年以上にわたり借金や暴力を受けながらも家族を献身的に支えていた。犯行後に自ら119番通報し、被害者を救命したいとの意識も伺え、後悔する気持ちも見てとれる」として、懲役5年の判決を言い渡しました。