サイバー犯罪による被害は拡大の一途をたどっている。FBIが公表した「FBI Internet Crime Report 2025」によれば、通報件数は同局の歴史上初めて100万件を突破し、被害額は208億7000万ドル(約3兆円)に達した。 一方で、これほど巨額の被害が発生しているにもかかわらず、実際に身柄を拘束され、裁かれる犯罪者はごくわずかだ。なぜ犯人は捕まらないのか。その背景には、単なる捜査能力の問題ではなく、国際情勢や犯罪ビジネスの変化を利用した「捕まらないための仕組み」が存在する。 本稿では、サイバー犯罪者が司法の網をすり抜ける3つの理由と、それに対して法執行機関がどのような戦略へ転換しているのかを整理する。