特に悪質で危険な運転を処罰する危険運転致死傷罪の適用要件に数値基準を導入する改正案が25日衆議院で可決、成立しました。 これを受け3年前に宇都宮市内の国道で、時速160キロを超えると見られる車に追突されて夫を亡くした女性が都内で会見を開きました。 25日の衆議院本会議で可決された改正・自動車運転処罰法。 これにより、特に悪質で危険な運転を処罰する危険運転致死傷罪の適用要件として超過速度や呼気のアルコール濃度の数値基準が導入されました。 最高速度60キロ以下の一般道で時速50キロの超過、高速道路で時速60キロの超過が基準となります。 またアルコール濃度は、呼気1リットルあたり0.5ミリグラム以上が対象です。 危険運転致死傷罪を巡ってはこれまで明確な数値基準がなく、速度については「進行を制御することが困難な高速度」、飲酒運転については「アルコールの影響で正常な運転が困難」など曖昧な表現で規定。 法定刑が拘禁刑20年以下で、過失運転致死傷罪は7年以下と危険運転が認められるかどうかで罪の重さが大きく変わり、全国で起きた交通事故の遺族から運用を見直すべきと声が挙がっていました。 県内では2023年2月、宇都宮市の新4号国道で時速160キロを超える速度で走行した車に、オートバイに乗っていた佐々木一匡さん当時63歳が追突され亡くなる事故がありました。 佐々木さんの妻・多恵子さんが共同代表を務める「高速暴走・危険運転被害者の会」が法改正の可決を受け都内で会見を開き次のように受け止めました。 高速暴走・危険運転被害者の会 共同代表 佐々木多恵子さん: 「数値化が国会で認められたということは、国民の意見が反映された。国の考えが今後裁判に反映されていくのだと思うと、交通事故は無くならないので悲しいが、未来の私たちみたいな人が少しでも救われるのではないかと思ってとても安心はしている。ただ私たちの今の状態は現行法で裁くことはできなくて、その立証はとても難しいとされていて、これからずっと戦いは続いていく」 高速暴走・危険運転被害者の会 共同代表 長文恵さん: 「悪質が見えれば当然問えるように、そういった法律の作りになっていかなければ、悲しむ遺族は減らない」 改正法は今年の夏にも施行される予定で、これまで、適用のハードルが高かった危険運転致死傷罪の運用が大きく変わることになります。 一方、佐々木さんの事故を巡り、危険運転致死の罪に起訴内容が変更された住所不詳・無職の石田颯汰被告23歳が2025年4月、足利市の住宅に侵入し、スニーカーとモバイルバッテリー、合わせて1万4千円相当を盗んだ疑いで逮捕され、25日、送検されました。 石田被告は、保釈中に無免許でバイクを運転した罪で2025年7月に追起訴されていて、今回の窃盗事件も保釈中の犯行だったとみられます。 高速暴走・危険運転被害者の会 共同代表 佐々木多恵子さん: 「きのう(24日)ニュースが流れていて、また3度目の逮捕という、あり得ないようなことが発覚して私の中でざわざわしている。さらに強く危険運転を求めて、量刑ももっと長く求めていきたい」