【AFP=時事】南アフリカ各地で6月30日、不法移民(不法滞在の外国人)の強制送還を求めるデモが行われ、数千人が参加した。数週間にわたる運動により、すでに2万5000人以上の外国人が出国し、外国人4人が死亡している。 今回のデモは、市民主導の団体が不法移民に対して独自に設定した退去期限「6月30日」に合わせた抗議活動の総仕上げとなるものだ。 ヨハネスブルク近郊では、投石や対立が発生し、治安部隊が暴徒化したデモ隊から一部の外国人を護衛して避難させるなど、局所的な衝突が見られた。 当局によると、略奪などの容疑で数人が逮捕され、ヨハネスブルクとダーバンには夜間に備えて兵士が配備された。 ヨハネスブルク中心部では日中、デモ隊が棒や旗を手に通りを練り歩いた。多くの商店はシャッターを閉め、労働者は自宅に待機し、交通の要所は静まり返った。 ズールー族が多く暮らす南東部ダーバンでは、デモ隊が槍(やり)や鞭(むち)、盾で武装し、伝統的な戦士の衣装で通りを練り歩いた。中にはヒョウの皮を着た参加者もいた。 デモに参加したブライトネス・グンビさん(48)は、自分が店舗を借りる金銭的余裕がないのに、外国人が店舗を運営できている現状への不満をあらわにした。 「不法移民が賃料を払えているのは、わが国の人々にドラッグ(違法薬物)を売っているからだ」「このデモを通じて大統領が国民の声を聞き入れ、より厳格な法律を執行してくれることを望む」と語った。 ■「大規模強制送還」 アフリカ大陸で最も裕福な国の一つである南アフリカは、周辺国から出稼ぎ労働者を引き付けているが、同時に30%を超える極めて高い失業率、高い犯罪率、そして多くの地域での行政サービスの崩壊という課題に直面している。 不法移民の強制送還を呼び掛けているグループは、外国人が雇用や行政サービスを奪っていると主張しているが、アナリストらは、政府の失政の責任を外国人に押し付けているにすぎないと指摘する。 警察によると、ここ数週間の抗議活動で、少なくともモザンビーク人2人、エチオピア人1人、マラウイ人1人が殺害された。 また6月30日には、ダーバンで外国人男性が建物の8階から飛び降りて死亡した。何者かに追われているという恐怖から飛び降りたとみられている。 緊張が高まる中、ナイジェリア、マラウイ、ガーナ、ジンバブエ、モザンビークなどのアフリカ諸国政府は、自国民を帰国させるための航空機やバスの手配に追われた。 南ア当局が6月29日に発表したところによると、ここ数週間で2万5000人以上の外国人が出国した。 マモロコ・クバイ法務相は6月30日午後、記者団に対し、ここ数日間だけでも4300人近くの外国人が自主的に帰国し、400人以上が強制送還されたと明らかにした。 反不法移民団体「マーチ・アンド・マーチ」のリーダー、ジャシンタ・ンゴベセズマ氏は、ダーバンの群衆を前に「われわれが望むのは大量強制送還だ」と呼び掛け、「今後6か月間、政府にはまだ出国していない不法移民を排除してもらいたい」として、11月に控える地方選まで毎週抗議デモを継続すると表明した。【翻訳編集】 AFPBB News