22日夕方、熊本県合志市のコンビニの店員から「刃物を持った男が入ってきた」と警察に通報がありました。 男は店員を脅し、現金3万円を奪ったといいます。 通報から4分後に駆け付けた警察官。まだ駐車場にいた男は、警察官に対しても刃物を向けました。 目撃者 「警察官が『武器を捨てろ』と言っていたんですけど、なかなか言うことを聞かないので、威嚇で発砲を3発ぐらいかな」 警察官は警告したうえで、上空に向けて威嚇発砲したといいます。 住宅街に銃声が響き、近隣住民がカメラを向けると、刃物を持つ男と、拳銃を構える警察官が対峙していました。 威嚇発砲後も、刃物を手放さない男。さらに、刃先をよく見ると、上下に動いています。警察官を威嚇、あるいは挑発しているようにも見える動きです。 警察官 「笑ってるんじゃねえ」 さらに、このとき、男のすぐ後ろに止まっていた車のドアは開いたまま。車内には、人が取り残されていました。 警察官 「下ろせ。下ろしなさい」 「武器を下ろせって」 「武器捨てろ」 「武器を下ろせって」 公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されたのは、前田詩音容疑者(21)。 消防によりますと、前田容疑者は、右肩と右足にけがをしていましたが、命に別状はないといいます。 目撃者 「『バン』と音が聞こえた瞬間に、煙が出ていて、右肩に当たったんだなと。でも、犯人は倒れもしなかった。びっくりしました。周りが住宅街で、40年、暮らしていて、初めてのことなので」 警察は、「警察官の撃った弾が前田容疑者に当たった」としていますが、それがどこかは確認中だということです。前田容疑者は、病院で治療を受けているため、認否を確認できていないとしています。 一方、確保後の映像では、前田容疑者とみられる声で「なんで頭撃たない」という言葉も記録されていました。 警察は、拳銃の取り扱いが適正だったかについて、「現在、調査中」としています。 緊迫した現場で警察官が拳銃の発砲を認められるケースとは、どんなものなのでしょうか。 交番などに勤務する制服を着た警察官の場合で見ていきます。 そもそも拳銃に関しては、それを携帯してから取り出して、相手に向けて構えて、発砲するといった “行動ごと”に警察内の規則や法律で制限されています。 まず、拳銃の携帯に関しては、警察内の規定で、制服を着て勤務する間は、原則、拳銃を携帯することになっています。ただし、取り出しに関しては、簡単に行っていいものではなく、拳銃の使用が“予想”される場合において、できることになっています。 “予想される場合”というのは、どういうことなのでしょうか。埼玉県警元捜査一課の佐々木成三さんに聞きました。 佐々木さんは「犯人が刃物・拳銃を持って、警察官や第三者に向かっていく可能性がある場合などが、拳銃を取り出すケースにあたる」といいます。 拳銃を構える、発砲することについては、法律で厳密に制限されています。 拳銃を構えることや、発砲が許されるのは、犯人の逃走防止や自分や市民を守る正当防衛などのために“合理的に必要”と判断される場合に限定されています。 拳銃の発砲の判断について、佐々木さんは「かなり難しい」としています。佐々木さんも警察官時代、拳銃の使用をためらい、撃たなかった事件があったそうです。「正当防衛の判断が本当に正しいのか、弾丸が外れたり、跳ね返って周囲の人に被害が出ないか、さまざまなリスクがあり、発砲は慎重にならざるを得ない」といいます。 そのうえで、佐々木さんは「警察官の心理負担を減らすためにも、拳銃ではない新たな装備が必要。例えば、アメリカの警察で使われている“テーザー銃”。ワイヤー付きの電極を発射して、相手に電流を流して行動不能にする武器の導入の検討を加速させるべき」としています。