■息子の命を奪った加害者と向き合い続ける 2015年、和歌山県で小学5年生の男の子が刃物で殺害されました。服役中の受刑者からは、今も遺族が望む謝罪はありません。 その後、遺族は手紙のやり取りを経て受刑者と面会しましたが、ある時を境に受刑者からの手紙が届かなくなり、受刑者の親にも手紙を送りますが、1か月以上連絡が取れていません。 加害者との関係を断ってしまえば、望む謝罪や賠償すら得られません。そのため、遺族は今後も「加害者との糸を絶やさない」と話します。 息子の命を奪った受刑者と向き合い続けていく――― そんな複雑な思いを抱えた被害者遺族を取材しました。 ■小5男児が10か所以上を刺され死亡 いまだ“納得のいく謝罪”なく… 1冊のスケッチブックを懐かしく見つめる森田悦雄さん(78)。カメラに向かってにっこりと笑う男の子。森田さんの息子で小学5年生だった都史くん(当時11)です。 都史くんは11年前の2015年、和歌山県紀の川市にある空き地で頭や体など10か所以上を刃物で刺され殺害されました。 逮捕されたのは、近所に住んでいた中村桜洲受刑者(当時22)。殺人罪などで懲役16年を言い渡され、服役しています。動機は「近所の悪ガキで迷惑だった」というものでした。 事件から11年が過ぎても受刑者から納得のいく謝罪はなく、約4400万円の賠償金も支払われていません。 ■「心情伝達制度」で受刑者に思い伝え…手紙のやり取り始まる (森田悦雄さん)「申し訳なかったということを(加害者から)最終的に聞きたい。それが、したことへの反省につながると思う」 息子の命を奪った受刑者は今何を思っているのか。森田さんは、刑務所を介して受刑者に思いを伝える「心情伝達制度」を使い、初めて気持ちを伝え、その後手紙のやり取りにつながりました。 (中村桜洲受刑者からの手紙) 「本当にごめんなさい。反省しています。刑務所まで会いに来てください」 ■「誰でもよかった。購入した刃物を使ってみたかった」面会で語られた動機 森田さんは去年12月から2回にわたり刑務所で受刑者と面会しました。